苦手な人でも予算枠を広げられる買い上がりトーク術

売買仲介営業をやっていると、様々な問題にぶつかります。営業、キャリア、社内の人間関係…

誰にも聞けない悩みは売買仲介営業専門のコンサルタント・梶本幸治さんに聞いてみましょう。

今週は予算よりも高めの物件を契約してもらう「買い上がり」交渉術を紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)

動画は下から↓

問 物件購入を検討しているお客様に予算枠を上げていただく「買い上がり」の交渉が苦手です。怒らせない話し方や、注意すべきことを教えてください。

答え 買主に自分は味方であると認識していただきましょう。少しでも当初の予算からオーバーするなら断ってきますが、良いでしょうか?と聞き方を工夫しましょう。

動画はこちらをクリック

「買い上がり」交渉を苦手にしている営業は結構いますね。

いきなり、結論めいたことを言いますが、買主であるお客様の味方になっておられるでしょうか?

少なくとも、味方っぽくは振舞えていますか?

売主の希望ばかりを言って、売主の味方だと思われてしまうと買い上がりは難しくなりますね。まずは、そういう心構えが大事であることを覚えていてください。

そのうえで、具体的な例を示しながら教えます。

媒介受託価格 2,580万円の物件があったとします。売主の希望売却価格は2,400万円でした。そして、仲介営業である私が当初査定した価格は2,300万円でした。つまり値切り代を考えて2,580万円で売り出した物件があるとして、考えてください。

一方で買主があらわれ、買付価格を2,300万円と仰っています。

整理すると、下記のようになりますね。


【媒介受託価格】 2,580万円
【売主希望価格】 2,400万円
【当初査定価格】 2,300万円
【買主買付価格】 2,300万円

このケースでは2400万円ならば成約しそうですね。つまり、目標買い上がりは100万円となります。

このようなケースで質問者の方は、買主に「現状の2,300万円からいくらくらいまで上だったら、買っていただけますか?」というトークをされていませんでしょうか。

すると、買主に「君は交渉もする前から、どうなっているんだ!!売り主の味方ばかりして。僕は2,300万円だと言っているんだから、何としてでも2,300万円まで交渉してきなさい!」

「まったく。どっちの方を向いて仕事をしているんだ」と、怒りを買ってしまうでしょう。

このケースでは、まず2,300万円より買いあがる余地があるかどうかを確認したいのです。予算の上限を聞いてはダメです。

では、まず「買い上がりできますか?」と聞いても、やっぱり怒られますよね。

つまり、「買い上がりますか?」と聞かずに、買い上がる可能性について聞きたいわけです。さらに、冒頭のように私は買主の味方です、ということも伝えたいですね。

買い上がるかどうかを聞かずに、買い上がる余地があるかを確認できる絶妙なトーク術

それでは、こんなトークはどうでしょうか。

「ありがとうございます!精一杯、交渉させていただきます。そして、一つお聞きしたいのですが、売主さんが2,300万円で売らない場合は、買主様にご相談することなく私が断ってきて良いでしょうか?極端な話ですが、2,310万円だったとしても私がお断りしてもよろしいでしょうか?」

という風に情熱的な言い方で聞いてみてください。

「そうだね。2,300万円でビタ一文、買い上がらないから、そうしてくれたまえ」となったら、しょうがありませんね(笑)2,300万円で交渉しましょう。(まれですが、そういうお客様もいらっしゃいます)

でも、大体そんなことを仰る方は少ないです。

「君のやる気はよくわかった。この交渉に関しては、いったん売主の金額を教えてくれないか。その金額を見て、私も考えようと思うよ」と言ってくれるはずです。

どうでしょうか。これなら、2,400万円もいけそうではないですか?

ぜひ試してみてください。

思っているよりも、うまくいくはずですよ。

 
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