不動産売却で、自ら住み替えるという人の他に、住み替え需要を目的にして不動産投資を考えている人もいるでしょう。将来の住み替えを考えて自宅を購入する人もいるようです。

さて、住み替えを前提とした不動産売却のポイントはどこにあるのでしょうか。

田舎暮らしは人気はあるが。。。

■住み替え需要は意外に高い

昔は一戸建て住宅は貸家に住む人には夢であり、一生住み続けるのがステータスでした。しかし、(株)長谷工総合研究所が行った調査によると、マンション所有者を中心に、ある程度の割合で住み家需要があることがわかってきました。

調査は首都圏で持ち家に居住する50歳から79歳までの男女1,100人を対象に行いました。その結果、マンション居住者の20%が住み替えの意向があり、埼玉県では24.7%と特に高い割合に達しました。一方で、一戸建て居住者では14.4%となっています。

住み替え先としては、マンションが多く、マンション居住者で住み替えを考えている人の48.8%がマンションへの住み替えを考えています。

このような住み替えの理由としては、シニア層の都心部への住み替え需要が特に高まっていると考えられています。郊外に一戸建て住宅を持っても、高齢になると手狭でも公共交通が充実し、すぐに病院へ行ける都心部の方が住みやすいという事情があります。

住み替えは中古市場も活況に

都心部のマンションに居住している人で、売却を考えているならば、今はチャンスです。最近の好況で新築マンションは上昇傾向にあり、それにつられて予算が折り合わない層の人が中古マンション市況に流れ込んでいるからです。特に築年数の浅い物件は人気が上昇しています。

この傾向は首都圏だけでなく、全国的にもいえるようで、内閣府が調査したところによれば、ここ10年で中古住宅の購入希望は3.4%から9.9%へと上昇しています。今後も賃金が右肩上がりで上昇していくことは望めず、長年のローンを抱えたくないという心理から、中古住宅を希望する人は一定以上で推移するものと考えられます。

逆にこのような地域のマンションに住み替えることを考えている人にとっては、予算が足りないことにもなりかねないので、よく考えて現在の居住地売却を考えないといけません。

■田舎への住み替え需要もそこそこあるが

価値観の多様化により、田舎暮らしが何かと話題になる昨今ですが、地方の自治体に受け入れ体制がないとなかなか難しいようです。

福岡県では「福岡県あんしん住み替え情報バンク」をたちあげ、①住み替え先、持ち家活用の相談業務、②実際に住み替えるための住宅探しや自宅の売却、賃貸等の仲介・管理といった不動産取引業務を、自治体と不動産業者が連携してシームレスにサポートをしています。それでも県外からの移住者はなかなか少ないのが実情です。空き家バンクなどが整備されていても、移住してからの不安を取り除けるような、地元の人の覚悟とふれあいがないと、なかなか売却までは行かないでしょう。

住み替え需要は、場所や状況によって様々です。まずは売却予定の不動産がある地域の情報をできるだけ正確につかむことが大事です。

 
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