不動産投資目的で不動産売却を考えている人はカジノ法案の成立後の動きが気になっているでしょう。昨年の年末に急いで成立させた感のある通称「カジノ法案」。大阪など候補地ではすでに地価に変動が認められます。
さ、今後の地価の動きをはじめ、動向はどうなっていくのでしょうか。
カジノ候補地はすでに地価が上がる
■カジノ法案の具体的な内容はこれから
「カジノ法案」といったほうがおなじみになっていますが、正式には「IR推進法案」といいます。いまは法律が成立したので、IR推進法です。
IR推進法のIRとは、統合型リゾートと訳され、カジノだけでなく、遊園地や飲食店、宿泊施設などを組み合わせた総合的なリゾート施設のことです。つまり、お父さんから子どもさんまでが遊べる施設になるのです。カジノをはじめ、基本的に賭博は長く禁止されていますから、国会で問題になったのです。
さて、カジノ構想は、景気低迷の切り札として何度か注目されてきた背景があります。カジノによって景気が刺激され、好転換になった事例もありますが、経営がうまくいかず今は閑古鳥が鳴いている事例も外国ではあり、賛否は未だ論議されています。
ギャンブル依存症の対策などはあわせてこれから明らかになる予定で、まだまだ内容はかたまっていません。
しかしながら、このIR推進法の恩恵にあずかろうと手を上げている地域は、すでに何カ所かあり、この地域での地価は上昇傾向にあります。
■IR推進法の候補地は?
関連法案の整備もあるため、まだまだ実際に動き出すのは先になると思われますが、現在取り沙汰されている候補地としては、以下の地域が噂も含めてあります。
①北海道 小樽、苫小牧、釧路
②千葉 幕張沖に人口等を建設し、そこに立地
③東京 お台場周辺
④大阪 夢州
⑤神奈川 横浜市みなとみらい地区周辺
⑥宮崎 シーガイア周辺
⑦長崎 ハウステンボス周辺
この中で東京はとりあえずオリンピックと豊洲の市場問題が当面の大きな課題となっており、大阪と横浜が有力候補とも言われています。
大阪の夢洲地域は、約310haに国際物流(100ha)、観光(80ha)を設ける予定で、すでに話題に上ってから周辺地価は上昇傾向にあります。また、2025年大阪万博構想の候補地にもなっており、開発が進められていく予定です。
夢州につながる交通として、USJとつないでJR桜島線や地下鉄中央線など3路線の延伸が検討されています。ですので、この沿線につながる地域も注目です。
神奈川県横浜市は、臨海地域のみなとみらい周辺に国際展示会や会議ができる施設を中心に、カジノなどの娯楽施設、山下埠頭を中心にした観光地の開発で、「ハーバーリゾート」を目指します。こちらもすでに地価は上昇傾向にあり、2016年は前年比15%近い数値で伸びています。