【問43】空き地空き家売り求むDM全般に関するまとめ問題|不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。第43回はダイレクトメールに関する知識を問います。(リビンマガジンBiz編集部)

【問43】空き地や空き家の所有者に対し、売り求むダイレクトメールを送付して仕入れを行う際、その手法や考え方として正しいものは次の内どれか。

1. 空き地空き家の所有者からはどのような方法でお問い合わせがあるか分からない。従って、空き地空き家売り求むDMには通常の電話番号、フリーダイヤルの他、自社HP(LINEも含む)の問い合わせフォームへ誘導するQRコード、FAX番号やメールアドレス等々、考え得る全ての問い合わせ方法を予め記載しておくべきである。

2. 空き地空き家売り求むDMの発送先は1件でも多い方が良い。その為、多少は費用がかかっても「名簿屋」から多くの空き地空き家リストを購入する事が望ましい。又、自社で空き地空き家を調べる場合であっても、車やバイクを利用して調査件数を増やすべきであり、徒歩で調査する事は非効率的でお勧め出来ない。

3. 空き地や空き家の所有者は売却を検討されているとは限らない。賃貸やリフォームを検討しておられる方に対し、「売却のみ」に言及したDMを送付しても全く響かない恐れがある。このような事態を防ぐためにも、DM本文には売却だけでなく賃貸・リフォームなどにも対応出来る事や、法律相談や税務相談も受け付けている旨を記載し、問い合わせの窓口を広げるべきである。

4. 空き地空き家売り求むDMに限らず、ダイレクトメール成功の鍵は先ず「開封して頂く事」にある。従って、空き地空き家DMの場合も宛名はラベル印刷などを用いずに手書きするように心掛け、空き地空き家所有者の開封を促すよう工夫すべきである。

【正解肢】4

【解説】
1.(誤)多くの「選択肢」を示してしまうとお客様が迷われ、結局のところどの選択肢も選んで頂けない可能性が生じる。従って、空き地空き家売り求むDMの問い合わせ方法は「電話番号のみ」に限定し、電話でのお問い合わせが頂けるよう文章も工夫すべきである。

2.(誤)空き地空き家調査の「精度」は、空き地空き家売り求むDMの成果に直結している。「名簿屋」からのリスト調達を否定するものでは無いが、出来る限り自社で空き地空き家を調査される事をお勧めする。又、調査方法も自動車や原付バイク、自転車などではなく、徒歩での調査が望ましい。空き地空き家売り求むDMの送付先は「量」より「質」を重視したい。

3.(誤)空き地空き家売り求むDMはその名の通り、「売り求む」に徹すべきである。本肢記述のように売却だけでなく賃貸・リフォームなどにも対応出来る事や、法律相談や税務相談も受け付けている旨も記載してしまうと訴求力が弱まってしまう。あれもこれもと欲張って、虻蜂取らずに終わる事の無いよう注意されたい。

4.(正)本肢記述の通り。開封率向上の為にも、宛名書きは手書きで行うべきと考える、従って本肢の記述は正しく、本肢は本問の正解肢となる。

【参考記事】

・駄目な不動産DM解説|売買・賃貸・リフォーム何でも出来るDM(2019年11月6日公開)

・不動産売り求むDMにおける「宛名書き」の重要性を知る(2019年12月11日公開)

・駄目な不動産DM解説|士業との繋がりを強調するDM(2019年11月27日公開)

・売主からの問い合わせは電話?メール?FAX?|空地空家DM反響増の秘訣(2018年5月23日公開)

※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。

 
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