【問46】登記受付帳(相続)DM全般に関するまとめ問題|不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。第46回となる今回はダイレクトメールを使った集客に関する知識を問います。過去の記事とあわせて、学びましょう。(43~45回の過去記事リンクはこちら、43回44回45回)(リビンマガジンBiz編集部)

【問46】行政文書開示請求により登記受付帳を取得し、相続登記がなされた不動産に対し売り求むダイレクトメール(相続DM)を送付する場合、その手法や考え方として正しいものは次の内どれか。

1. 売り求むDMには所有者様からのクレームは付きものだが、相続DMに対するクレームは他の売り求むDMとは比べ物にならない苛烈さである。従って、気の弱いスタッフや経験の浅いスタッフは相続DMの問い合わせ電話を取らなくて良いように工夫すべきである。

2. 相続DMは送付件数も多く、調査も多大な労力を要する。その為、これら相続DM実施に伴う調査や送付は自社で行う事なく、調査及びDM発送代行業者を用いる方が効率的だ。

3. 相続DMは他の不動産会社も多く送付しており、不動産所有者様のもとには十何通ものDMが届く場合もある。そのような中、所有者様からお問い合わせを頂戴する為には、綺麗で丁寧なDM作成が必要となる。従って、相続DMにおいては「拙速」よりも「巧遅」を目指すべきである。

4. 相続登記完了後、殆どの不動産所有者(相続人)は、相続した不動産の処分方法(売却若しくは賃貸等)に悩まれるものである。このような理由により、相続DMの反響率は他の売り求むDMと比べて格段に高く、我々不動産業者にとって「宝の山」のような施策といえる。

【正解肢】1

【解説】

1.(正) 本肢記述の通り。一般的に「売り求むDM」に対する不動産所有者様からのクレームは厳しいものとなりがちである。その中でも相続DMに対するクレームは苛烈を極める場合が多い。特に「相続物件にそのまま相続人が居住しているのに、売り求むDMを送ってしまった場合」は峻烈な𠮟責を受ける場合がある。気の弱いスタッフや経験の浅いスタッフが電話応対した場合は「峻烈な𠮟責」に耐え兼ね、仕事に対するモチベーションを著しく低下させてしまうケースが散見される。 このような士気低下を防ぐ意味からも、相続DMの反響はベテランスタッフが担当される事をお勧めする。 よって本肢の記述は正しく、本肢は本問の正解肢となる。

2.(誤)相続DM実施に際し、代行業者を利用されている不動産会社は多い。しかし、代行業者を利用するとDM発送時期が他の不動産会社と同じ頃になってしまい、自社送付のDMが埋没してしまう事が危惧される。つまり出来る限り、自社でDMを作成し発送したいと考える。 代行業者の利用自体を全面否定するつまりは無いが、代行業者も玉石混交である為、スピーディ且つ真摯な対応をしてくれる業者を選ぶべきである。

3.(誤)本肢記述にもある通り「不動産所有者様のもとには十何通もの相続DMが届く」事が想定される。このような過当競争の中で自社のDMをご覧頂く為には「他社に先駆けてDMをお届けする」事が何よりも重要である。つまり、相続DMは「巧遅」よりも「拙速」を旨とする。本肢の記述は逆であり誤りである。

4.(誤)相続登記は既に案件化が終わった後、不動産業者紹介の司法書士に依頼して実施される事も多い。又、親と同居している状態で相続が発生し、そのまま相続人が住み続けられるケースも多い。従って本肢記述のように「相続DMの反響率は他の売り求むDMと比べて格段に高い」とは言えない。 但し、相続DM反響が案件化した時は重要度の高い案件となる場合が多い為、我々不動産業者にとって「宝の山」のような施策と呼べる点のみは正しい記述と言えよう。

【参考記事】

・不動産仕入れダイレクトメールの考え方に関する問題(2020年12月23日公開)

・不動産仕入れDMの基本的な考え方と、その目標反響率(2019年10月23日公開)

・行方不明だった相続人と、畑の真ん中で駆けっこした営業マン(2017年8月16日公開)

※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。

 
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