【問42】不動産一括査定サイトの売主折衝(せっしょう)全般に関するまとめ問題|不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。第42回は一括査定サイトの反響対応のあり方を問います。(リビンマガジンBiz編集部)

【問42】不動産一括査定サイトからお問い合わせ下さったお客様(不動産所有者様、不動産売主様等)との折衝(査定訪問・査定報告等)時において、その手法や考え方として正しいものは次の内どれか。

1. 不動産一括査定サイトからお問い合わせ下さったお客様が、最も関心を持っておられる事柄は「不動産価格」である。従って、折衝時劈頭で査定書を提示し、査定価格をお伝えすべきである。その際は、周辺の販売事例、成約事例の解説は勿論の事、各媒介種別や販売方法の説明など、不動産売却に関する事柄全てをお伝えすべきである。

2. 不動産売却に際しての販売開始価格は、基本的に売主様の希望価格(言い値)を基本とすべきである。不動産業界内には「売れない価格で媒介受託するくらいなら断れ!」との意見もあるが、売主様にご納得いただく意味からも言い値で販売を開始し、中長期的な販売プランを提示すべきと考える。

3. 不動産一括査定サイトからお問い合わせ下さったお客様は、複数の不動産会社と面談し、各社の意見を聞いた後に販売を任せる会社を決める傾向にある。この場合は、出来るだけ「最後に面談する不動産会社」となり、全社の意見がそろっている段階でお客様に提案出来る状況を作り出したい。

4. 不動産の売却は一生のうちに何度も経験するものではない。従って、不動産一括査定サイトからお問い合わせ下さったお客様へは「弊社であれば安心安全な取引が行える」という点に力点を置いて説明すべきである。

【正解肢】2

【解説】

1.(誤)不動産所有者様との折衝時、最も大切な事は「売却理由のヒアリング」である。にもかかわらず、本肢記述のように折衝劈頭に査定書を提示してしまうと徹頭徹尾、価格の話に終始してしまい「売却理由のヒアリング」に辿り着けないケースが多い。むしろ査定書は「作っても見せずに受託」するくらいの心構えでちょうど良いと考える。

2.(正)不動産一括査定からのお問い合わせのお客様に対し、「売れない価格で受託するくらいなら断る」という姿勢を貫いてしまうと、受託する機会を失う恐れがある。従って基本的には売主様の言い値で受託し、中長期的な目線で販売計画を立案すべきと考える。但し、売り主様が早期の不動産現金化や、ある特定の期限までの売却を希望しておられる場合はその限りでは無い。 従って本肢の記述は正しく、本肢は本問の正解肢となる。

3.(誤)本肢記述のように、他社の話を聞いてから判断したいという理由で回答を留保される売り主様から、媒介を取り付けることは難しく、出来るだけ「最後に面談する不動産会社になりたい」と考える気持ちは理解出来る。しかし、「最後の不動産会社」として査定訪問を行おうとすると、提案の機会さえ与えられる事無く、「不戦敗」で他社に媒介を取られる危険性も高い事から、「最初の一社目」を目指し、競合他社に先駆けての媒介受託目指したい。

4.(誤)不動産所有者様、売り主様の一番のご希望は「高値売却」であると考える。従って「安心安全の取引」に力点を置くという本肢の記述は誤り。

【参考記事】

・不動産価格査定書は、作っても「見せずに受託する」ことを目指す!(2017年11月1日公開)

・「高値で媒介受託するくらいなら断れ」で損してる!?(2017年11月15日公開)

・不動産査定訪問は何社目に訪問すると有利か?(2019年9月25日公開

・駄目な不動産DM解説|安心のお取引を約束するDM(2019年11月13日公開)

※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。

 
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