【問25】自社HPで不動産仕入れを行う方法に関する問題
不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。第25回は、自社のホームページ(HP)の活用です。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=写真AC

【問】自社HPで不動産仕入れを行う際、その考え方や具体的施策に関し、誤っているものは次の内どれか。

1. 自社HPで不動産仕入れを行う際、自社HP内のコンテンツとして「相続した実家を高値で売却する7つの方法」や「離婚する前に読むべき、夫婦共有不動産売却の落とし穴」といった、不動産所有者様にとって有益な記事を掲載する事は有効である。

2. 自社HPに自動査定のコンテンツを設置し、自動査定が為された周辺へ売り求むチラシを配布する「自社HP→売り求むチラシ」の導線は有効である。

3. 自社HPにスタッフブログのコーナーを設置し、その中でスタッフが、日頃なにをしているかを発信する事は、不動産所有者から親近感を抱いて頂ける為、有効である。

4. 自社HPで不動産仕入れを行う際、地域対策が必要となる。従って「相続した実家を高値で売却する7つの方法」というコンテンツを作るよりも、「静岡県浜松市で、相続した実家を高値で売却する7つの方法」とした方が、SEO面等においても更に有効である。


【正解肢】 3

【解説】

1.(正)物件に対する問い合わせを獲得する場合は、物件自身の魅力だけでも反響を期待出来る。しかし、自社HPで不動産仕入れを行う際は、アクセス者(潜在的な不動産売り主様)に有益なメニューをホームページに記載してファンになって貰い、問い合わせ(価格査定等)につなげる必要がある。従って、本肢記載のような「相続した実家…」、「離婚する前に読むべき…」といったコンテンツの設置は有効である。

2.(正)売り求むチラシは「電話で受ける」事が基本であり、チラシを読んで下さった方をわざわざ、自社HPに誘導する導線はお勧め出来ない。しかし、本肢記述のように、その逆である「自社HP→売り求むチラシ」は効果が期待出来る。その際は①不動産自動査定コンテンツ制作→②オーガニック検索でアクセス→③個人情報を入力することなく不動産自動査定→④自動査定が利用された周辺に売り求むチラシを配布、といったような施策を採る。

3.(誤)アイドルや有名スポーツ選手ならいざ知らず、不動産会社社員が日頃なにをしているかを知りたい方が、どれだけいるだろうか?又、自社HPで不動産仕入れを行う際は「親近感」よりも「信頼感」を抱いて頂ける記事を掲載すべきと考える。ブログ自体を否定するものでは無いが、「日頃なにをしているかを発信する事」に必要性を感じない為、本肢の記述は誤りであり、本肢は本問の正解肢となる。

4.(正)不動産売買仲介会社は基本的に「地域密着」で業務を行っており、自社の商圏外の不動産売却に関するお問い合わせを頂いてもあまり意味は無い。従って、例えば静岡県浜松市での反響が欲しければ、本文中に「静岡県浜松市」という文言を多く挿入し、タイトル(meta title)も本肢記載のように工夫する事でSEO面での効果も期待出来る。

【参考記事】

・自社ホームぺージで物件仕入れ(媒介受託)を行う方法とは?(2020年04月15日公開)

・「自社HP→売り求むチラシ」の連動で行う、不動産仕入れ強化術(2020年04月29日公開)

・自社ブログに社員のランチ情報を書く会社は売上が伸びない!?(2018年03月07日公開)

・不動産売り求むチラシと自社HPの連動は必要か否か(2020年02月12日公開)

・不動産売り求むチラシに記載すべき内容に関する問題(2021年03月03日公開)

※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。

 
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