悪質なドライバーによる悲惨な事故が相次いで報道されたことで、運転中の記録を残すドライブレコーダーが注目されている。不動産仲介でも物件までの案内や、顧客訪問でハンドルを握ることがある。対策に乗り出す企業も出てきた。(リビンマガジン Biz編集部)


ドライブレコーダー装着時の様子 (画像=オートバックスセブン提供)

ドライブレコーダーを社用車に取り付けている不動産会社

愛知県蒲郡を中心に2店舗を置く丸七住宅では、今年の4月に25台ある社用車全てにドライブレコーダーを取り付けた。

「運転中にトラブルがあった際に記録が残るように、また安全運転の意識付けをするため」だという。もしもの時の「保険」だけではなく、思わぬ副産物もあった。撮られているという緊張感からか、社員の運転も丁寧になった。心がけが高まったからか、日頃の就業態度にも好影響がでている。

「社員が自主的に会社内で守るべき項目を書き出しデスクに貼るなど、マナーを守ろうという」行動が見えはじめた。

ドライブレコーダーがバカ売れ中

暴走車両のニュースが大きな話題となり、ドライブレコーダーへの注目が高まっている。カー用品を取り扱うオートバックスセブンでは、今月に入ってからドライブレコーダーの売り上げが3倍から4倍に増えているという。来店客が少ない悪天候の日でも、ドライブレコーダーのコーナーには人が溢れているという。元々、企業での購入が多かったドライブレコーダーが自家用車でも取り付けられるようになった。業務中に運転する機会のある不動産会社でも対策は必須になりつつある。


運転中のサラリーマン (画像=写真AC)

安全以外のも大きな効果

ドライブレコーダーに限らず社用車への通信機器搭載には別の狙いもある。カーリースのオリックス自動車には、ドライブレコーダーやGPS機能を使って、車の運行状況を管理者に伝えるサービスがある。その登録数は2017年9月末時点で2259社、15万1300台だ。さらに、登録社数を業種別にみると、不動産関連企業が20.6%で一番多いという。「社員のサボり対策や無謀運転を防ぐ効果がある」とは、ある不動産会社の経営幹部の声だ。何分も同じ地点にいたり、スピードの出し過ぎがあったりすれば、管理者に通知される。「社名が書かれた車に乗る以上は、社外でも緊張感をもっていてもらわないと困る」と先述の幹部は話している。

命より重いものはない

ドライブレコーダーは社員が事故に巻き込まれたときの、証拠としても重要な装置になる。さらに社員の安全意識にも寄与する。ドライブレコーダーを取り付けるだけで、スピードの出しすぎや乱暴な運転を是正できれば、これほど安いものはない。社員の安全を確保するのも経営者の責務だ。

 
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