※プレスリリースより

 飛島建設は19日、トグル制震構法の製造・販売メーカ-のE&CS、宅配ボックス・宅配ロッカーのフルタイムシステム、生活協同組合パルシステム東京の3社と業務提携を行い、非常食の循環システム付き宅配ロッカー「イーパルボックス」を共同開発したと発表した。
 初年度(2017年度)は4社共同で100台の設置目標を掲げている。
 1号機については同社本社5階ホールに8月から設置される。

 この宅配ロッカーは、防災備蓄品の普及や効率的活用による期限付きの非常食などの廃棄ロスを減らすことを目的に開発されたもので、地震などの非常時には備蓄品を提供する防災ロッカーとしてのソリューション機能を備えている。
 また、昨今問題となっている宅配便の再配達の削減を図るものとしても開発された。

 

 新しい点はこれまでの宅配ボックスの機能に「防災機能」を加えたことだ。

 今回は宅配ロッカーに防災機能を付加させ、非常食を日常食として販売する自販機能を装備した。
 日常食として非常食を販売することで循環させ、非常時にはこの食料を一般に自動開放して提供する。

 集合住宅や企業における非常食などの保管・管理場所は普段目にしないような場所にしまい込まれ、担当者以外はその状況が把握されていないことが少なくなかった。
 その結果として、期限切れによる廃棄ロスという課題が生じていた。

 今回は宅配ロッカーを人の目に触れる場所に設置し、日常食として自動販売するという循環システムにすることで、非常食の期限切れ処分の削減が可能となる。

 また新しい提案として、従来の分譲・賃貸といった集合住宅以外、ビル内にも設置する実験を展開する。

 これまで宅配ボックスの企業内設置は費用の負担などからあまり普及してこなかった。
 しかし、非常食の自動販売としての活用、循環システムによる廃棄処分費用削減によるトータルコストの低下で、宅配ロッカーの購入費用を補い、集合住宅や企業での導入がしやすくなる。

 

 さらに宅配ロッカーの導入により、建物の付加価値を向上させるだけでなく、地域防災の一部の機能を担うことを目指している。

 ちなみに、非常食などの食品はパルシステム東京による提供となる。

 地震時には、扉を自動開放することで、誰でもすぐに非常食を手にすることが可能となる。

 個人的な宅配便を会社で受け取ることが難しい企業でも、会社内の宅配ボックス設置により個人的な荷物を受け取ることができる。
 また、宅配業者への荷物引渡も可能となり、一人暮らし、共働きの社員にとっての利便性の向上を促す。

 オプションだが、AED専用BOXを設置することもできる。
 AEDの状態を24時間365日監視することで、バッテリー切れ、使用期限切れなどを防ぐ。

 

 宅配ロッカーの運用手順は次の通り。

 ①従来の非常食を日常食として、非常時の効率的活用のために設置
 ②非常食の1部をイーパルボックスに投入(その他の非常食は倉庫に保管)
 ③利用者は、日常食としても購入
 ④1週間に1度、販売された分の非常食をパルシステムが宅配
 ⑤導入者は販売した分の非常食を倉庫から取り出し補充(古い非常食から補充)

 同社では、この宅配ロッカーについて、国土強靭化で示されている「ハード・ソフトを組み合わせ」「平時にも非常時にも有効に活用」「民間の取組を促進」に適合するソリューションです、としている。
 

※プレスリリースより

 
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