不動産売却にリフォームはリスクが多くておすすめしないというのが一般的です。しかし、リフォームした方が良い場合もあります。
例えば、前に紹介した地域活性化に関連して、地方での空き家バンクを利用した売買では、愛知県東栄町などの成功事例があります。
また、最近注目なのが音楽演奏可能な物件。趣味で楽器を演奏する人には悩みの種となっている問題で、先日、音楽演奏が可能な物件を専門にする検索サイトもオープンしました。
- ギターをめいっぱい演奏したい人は意外に多い
■音楽演奏する人の需要は大きい？
そもそも音楽演奏をする人のニーズはどれくらいあるのでしょうか？
アサヒビールの調査によると、９割近くの人が音楽鑑賞は好きなのに、４割の人は、誰かに聞かれていると思うと、自分で演奏したり、カラオケで歌うことは余り好きではない、あるいは、大嫌いと回答しています。
これを世代別に見ると、年齢が高くなるにつれ、その傾向が顕著になってきています。
つまり、人目が気にならなければ、カラオケで歌う、楽器を演奏するという人は潜在的に多いのです。カラオケの場合は、カラオケルームに行って歌うこともできますが、楽器演奏の場合は、普通に考えて専用スタジオしか選択の余地はありません。手軽に楽しみたいという場合には、カラオケルームで練習するという声も聞きます。
また、音楽鑑賞にしてもいいオーディオを使ってめいっぱい没頭したいと思う人も多いでしょう。
東京都に限っても、何らかの楽器演奏をしている人たちが居住している住居の数は、10万戸を越えるという説もあります。それだけの人が自宅でも十分に楽しめる環境になるには、まだまだ供給を増やしても大丈夫な状況です。
そういったニーズを満たすために、防音工事、防振工事を施した住宅のニーズは一定程度見込めるはずです。
■防音対策は積極的にやっておくべき
一戸建てであればしっかり防音をした専用の部屋を用意することで、楽器演奏に耐える部屋にすれば、理想的です。しかし、防音工事は楽器演奏やカラオケを楽しめるレベルから通常の騒音（テレビの音をおさえたい、子どもの声を抑えたい）まで、幅広い範囲があり、一概に相場がどのくらいというのは出せないのが現状です。
逆に、ろくに調査もしないで「坪単価は大体このくらいです」という業者がいたら怪しい業者です。あえて目安をあげるとすれば、６畳で200万円～400万円くらいみておく必要があります。
ただし、すでにある程度の防音工事がされたマンションでは、少しのリフォームで解決する場合もあるので、業者に見積もりをしてもらうとよいかもしれません。
実際の例では6帖間で、遮音シート貼り込み、際部、コーキング充填、石膏ボード貼り、同等壁紙貼り仕上げなどを行い、”7万円～12万円”といった事例もあります。窓を二重にするなど、一部のリフォームで済むのであれば、売却には有利な改築といえます。
騒音によるトラブルで、大きな事件に発展することもよくあります。楽器演奏したいというニーズはまだまだあるようですので、売却の際のリフォームも考えてみてはいかがでしょう。
