【問41】不動産一括査定サイトの初動対応全般に関するまとめ問題|不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。第41回は一括査定サイトとのつきあい方を問います。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=Pixta

【問41】不動産一括査定サイトからの問い合わせに対し、不動産会社が心掛けるべき初動対応方法として、誤っているものは次の内どれか。

1. 不動産一括査定サイトからの問い合わせに対しては先ず、お客様とお電話を繋げる事を目指すべきである。このお電話が繋がる率(通電率)は全反響数の75~80%を目標としたい。

2. 不動産一括査定サイトからのお問い合わせ顧客と電話が繋がった場合は先ず、アポイントを獲得する事に注力すべきと考える。このアポイントを頂ける率(面談率)は全反響数の20~30%を目標としたい。

3. 不動産査定サイトからのお問い合わせ顧客に電話を掛ける回数は、最大でも5回以内とすべきである。他の不動産会社と競合する一括査定サイトにおいては、「この不動産会社はしつこい」と思われる事が致命的であるから、架電回数には注意したい。

4. 不動産一括査定サイトからのお問い合わせ顧客と電話が繋がらず、アポイントも獲得出来ない場合であっても、基本的には遅滞なく(出来れば反響獲得後2日以内に)査定書を郵送すべきである。査定書はメールで送付するだけでなく、郵送する事が重要である。

【正解肢】3

【【解説】

1.(正)不動産一括査定サイトからのお問い合わせに関しては、初動対応でどれだけ電話が繋がるかが重要である。その為には【反響後3分以内に電話をかける】【電話が繋がるまで、1週間の間に15回電話を掛ける】などの施策が有効であり、これらの施策を駆使する事で通電率75~80%を達成したい。

2.(正)面談率は本肢記述の通り、20~30%に設定すべきである。ここでいう「面談率」は必ずしも「査定訪問」を意味しない。大切な事はお客様にお目にかかった上で「高値売却のご提案」を行う事であり、物件の室内を拝見する事ではない。室内を見られたくないお客様でも、近くの喫茶店でお話するくらいなら会って下さる場合がある。

3.(誤)肢1の解説でも触れたように、電話が繋がるまで、1週間の間に15回電話を掛ける必要がある。本肢記述のように「最大5回」程度では通電率75~80%など夢のまた夢である。従って本肢の記述は誤りであり、本肢は本問の正解肢となる。

4.(正)本肢記述の通り。電話も繋がらず、メールの返信も無く、アポイントも取れないお客様であっても基本的には査定書を送付すべきである。この場合の送付とはメール及び郵送である。但し、「基本的には送付すべき」とした点には理由があり、売却理由を「離婚」としているお客様にはメールのみの送付に留めるべきと考える。お客様の家庭の事情が分からない為、郵送での査定書送付は行わない方が無難である。

【参考記事】 ・一括査定サイトからの受託率は10%を目指そう|不動産仕入れ理論入門(2019年7月31日公開) ・一括査定反響客に後ろ髪なし!チャンスは1回限り!(2019年8月7日公開)

※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。

 
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