【問26】自社運営の「地域限定版:不動産査定サイト」作成法に関する問題
不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。第26回は、自社のホームページ(HP)を不動産査定サイトとして展開する場合のコツを聞きます。(リビンマガジンBiz編集部)


画像=Pixta


【問26】

自社HPを「地域限定版の不動産査定サイト」といった見せ方で仕上げ、インターネットからの仕入れ反響(査定依頼・売却相談)を獲得しようとする際、気をつけるべき点として誤っているものは次の内どれか?

1. 「地域限定版の不動産査定サイト」では、所在地、土地面積、建物築年数、建延面積等(マンションなら階数、バルコニー方向、専有面積等)を入力すると、おおよその価格が自動で算出されるようなコンテンツを設置する。

2. 「地域限定版の不動産査定サイト」を運営する際には不動産一括査定サイトがライバルとなる。その為、不動産一括査定サイトと同様にPPC広告やアフィリエイト広告等に力を入れ、集客面でも不動産一括査定サイトを対等に戦えるようにする。

3. 「地域限定版の不動産査定サイト」として、対応エリアの都道府県名や市町村名を前面に押し出した、独自のサイト名を付けるよう工夫する。

4. 「地域限定版の不動産査定サイト」と不動産一括査定サイトでは、問い合わせ数は不動産一括査定サイトが上回る傾向にある。しかし、「地域限定版の不動産査定サイト」からの問い合わせは競合が少ない為、目標受託率に関しては高く設定する。

【正解肢】 2

【解説】

1.(正)不動産一括査定サイトからお問い合わせ下さったお客様の中には「自動で査定金額が表示されると思っていた。不動産会社から連絡が来るとは思っていなかったし、連絡が来ると分かっていたらサイトを利用しなかった」とおっしゃる方が一定数いらっしゃる。こういったライトなユーザー層に満足頂く為にも、おおよその価格が自動で算出されるようなコンテンツは必要と考える。

尚、自動算出コンテンツを利用下さった方へのアプローチとしては、個人情報の入力は不要だが、マンション名や住居表示のブロック(区画)までは必須の入力項目とし、その後、当該査定物件周辺へ売り求むチラシを実施する方法をお勧めする。詳細は下記参考記事【「自社HP→売り求むチラシ」の連動で行う、不動産仕入れ強化術】参照。

2.(誤)大手不動産一括査定サイトと、PPC広告やアフィリエイト広告で戦っても広告予算が違い過ぎる為、不動産一括査定サイトに勝つことは難しい。そこで、「各町名、マンション名+不動産査定」等、売却キーワードでのオーガニック検索にかかり易い設計を心掛け、大手の目が届きにくい細かいキーワードの獲得を目指すべきだと考える、従って本肢の記述は誤りであり、本肢は本問の正解肢となる。

3.(正)本肢記述の通り。例えば、「(都道府県名or市町村名)+不動産売却ドットコム」や「(都道府県名or市町村名)+不動産価格査定相談室」といった要領でサイト名を付ける事をお勧めする。

4.(正)本肢記述の通り。筆者(梶本)は不動産一括査定サイトの必達受託目標を10%に設定しているが、「地域限定版の不動産査定サイト」ではより高い受託率を目指す事が可能である。

参考までに筆者が経営する会社(株式会社レコ)で制作したサイトの成果の一例を、下記の通りご紹介する。

対象エリア:人口50万人規模の地方都市

集計期間:2018年1月~2020年2月(26ヶ月間)

反響件数:32件

仕入件数:20件(内訳)専任媒介:11件、一般媒介:6件、買い取り:3件

成約件数:16件(内訳)両手成約:7件、片手成約:7件、買取再販:2件

【参考記事】

自社運営の「地域限定版:不動産査定サイト」の作成法(2020年04月22日公開)

「自社HP→売り求むチラシ」の連動で行う、不動産仕入れ強化術(2020年04月29日公開)

※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。

 
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