【問20】不動産「物件を探している人がいます」の作成方法に関する問題
   不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。

第20回目の今回は、定番のあのチラシの作りかたを深く考えましょう。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=写真AC

【問20】「物件を探しているお客様がいらっしゃる」という点を訴求して実施する不動産売り求むチラシ(所謂、お客様がいますチラシ)を作成する際、誤っているものは次の内どれか。

1. お客様が買いたい物件の条件や特徴を絞り込みすぎると、チラシをご覧になった不動産所有者様が「残念。私の所有物件は条件に当てはまらないな」と思われ、お問い合わせをいただけ下さらない可能性が高くなる。このような事態を回避する為にも、買いたい物件の条件や特徴はある程度幅を持たせて、詳細にはに記載しし過ぎないよう気をつける。

2. 物件を探しているお客様の内容に関しては、個人が特定出来ない範囲内で極力、詳細に記載すべきである。例えば、年齢・性別・住所(居住されている町名や学校区)・家族構成・おおよその年収・自己資金・勤め先である。これらを記載する事により「本当に買いたいお客様がいるのだな」と、不動産所有者様に信じて頂けると考える。

3. 物件を探しているお客様が「何故、不動産購入を考えるようになったのか(購入理由)」についても詳細に記載すべきである。しっかりとしたストーリーを不動産所有者様に伝える事により、より具体的な「お客様像」を思い浮かべて頂く効果が期待出来る。

4. 物件を探しているお客様が、どのようにしてあなたの会社に問い合わせを下さったのかも記載ししたいところである。ポータルサイトからか、チラシからか、紹介からか、その「縁」についても詳しく書く事で、より具体的なイメージを不動産所有者様に抱いて頂けると考える。

【正解肢】1

【解説】

1.(誤)私のコンサル事例では、お客様が買いたい物件の条件や特徴を絞り込んだチラシを作成すると、その条件に当てはまらないお客様からの問い合わせも多く獲得出来る傾向にある。例えば、「私の家は買主様の条件に殆ど当てはまっているのですが、唯一、南向きって条件だけ満たしていないのです。駄目でしょうか」といった要領である。従って、お客様が買いたい物件の条件や特徴を絞り込んだチラシは、充分な反響獲得が見込める為、本肢の記載は誤りであり本問の正解肢となる。

2.(正)お客様がいますチラシをご覧になった不動産所有者様の中には、「お客様がいるって本当かな?嘘じゃないのかな?」と感じられる方も多い。そのような疑念を晴らし安心しお問い合わせ頂く為にも、物件を探しているお客様の詳細は記載すべきと考える。

3.(正)漠然と「お客様がいます」と記載するだけでなく、そのお客様が「何故、不動産購入を考えるようになったのか(購入理由)」を書き込む事により、より具体的なお客様像を浮かび上がらせる効果が期待出来る。

4.(正)3の解説と同様に、「お客様と不動産会社の縁」を示す事により、より具体的なお客様像を浮かび上がらせる効果が期待出来る。

【参考記事】

・お客様がいますチラシ|不動産売り求むチラシ作成講座(2020年02月26日公開) ・こんな物件探していますチラシ|不動産売り求むチラシ作成講座(2020年03月04日公開)

※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。

 
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