【問14】不動産仕入れダイレクトメールの文章作成(クロージング部分)に関する問題
不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。


第14回目となる今回は、ダイレクトメールの終わらせかたにフォーカスを絞ります。締めの文句について学びましょう。(リビンマガジンBiz編集部)


画像=写真AC

【問14】不動産仕入れダイレクトメールの作成に際し、ダイレクトメール本文の最後を締めくくる文章として正しいものはどれか。

1. 是非一度、直接お目にかかって、詳しくご説明させて頂きたく存じますので、〇〇様(不動産所有者様のお名前)の都合の良い日時をご指定ご指定下さい。それでは、〇〇様からのお電話をお待ちしています。

2. 〇〇様におかけましては、今すぐ不動産を売却するご意思が無いかも知れません。そのような場合でも弊社には提携の弁護士・税理士・司法書士・土地家屋調査委等がおりますので、不動産に関する事なら何でもご相談下さい。

3. この度は突然このようなお手紙を差し上げ大変失礼致しました。〇〇様にとってこのお手紙が不要な場合はお手数ですが破棄して下さい。尚、このお手紙は公開されている不動産登記情報に基づいてお送りしており、決して違法な手段で個人情報を入手した訳ではございません。どうぞご安心ください。

4. もしも、〇〇様にご所有不動産ご売却のご意思がある場合は、誠にお手数ですが弊社までお電話頂くことは可能でしょうか。ご相談頂いたからといって必ず売りに出す必要はございませんので、一度お電話頂きたく存じます。何卒、宜しくお願い申し上げます。


【正解肢】1

【解説】

1.(正)不動産所有者への売り求むダイレクトメールを送る場合、多くの不動産会社が「売却の意思があればお電話ください」との提案を行っているが、これでは弱いと考える。不動産所有者様の利益になる提案を行っている訳であるから「会うのは当然。会う日時はお客様のご都合に合わせる」という文章で締めくくりたい。よって本肢の記述はダイレクトメール本文の最後を締めくくる文章として相応しく、本問の正解肢となる。

2.(誤)最後の最後に「何かが引っかかればラッキー。全部言ってしまおう」と考える気持ちは分からないでは無いが、あれもこれも提案する事は結局、ダイレクトメールの訴求力を減じる結果となる。このように手当たり次第に提案するのではなく、「売り求むダイレクトメール」であれば、売却一本で提案すべきである。

3.(誤)謝り過ぎである。又、公開されている登記情報云々といった文章を入れる事は良いが、ダイレクトメールを締めくくる文章としては不適切と考える。クレームを恐れ謝り続けるくらいなら、ダイレクトメール自体をやめたほうが良い。

4.(誤)ダイレクトメールでは「お願いし過ぎない」事が重要である。又、このような文章からは「弱腰」「自信なさげ」「売主に阿る」という印象を受ける。ダイレクトメールは毅然とした文章で作成して欲しい。

【参考記事】

・駄目な不動産DM解説|売却の予定をお聞きするDM(2019年11月20日公開)

不動産仕入れダイレクトメールの文章作成(冒頭部分)に関する問題(2021年1月13日公開)

不動産仕入れダイレクトメールの文章作成(訴求ポイント部分)に関する問題(2021年1月20日公開)

※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。

 
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