2020年10月21日
不動産一括査定サイトの取り組み方に関する問題|不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト【問1】
梶本式:売買仲介のための不動産仕入れ理論入門
不動産一括査定サイトの取り組み方に関する問題
不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト【問1】
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。今回から、不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。もちろん納得感のある解説付きです。あなたは正解できるかな?(リビンマガジンBiz編集部)
画像=写真AC
皆さん、こんにちは。
株式会社レコの梶本幸治です。
本日から新連載をスタートさせて頂きます。
今回のコラムは「不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト」と銘打ち、今まで私が解説して参りました不動仕入れ手法を、テスト形式でご確認頂こうと考えております。テストの内容は宅建士テストの形式にあわせて四肢択一に致しました。
テストとは言っても堅苦しいものではございませんので、楽しく遊び感覚で読み進めて頂ければ嬉しいです。
では、記念すべき第一問!どうかチャレンジして下さい!
【問1】
不動産一括査定サイトの取り組み方に関する考え方として、誤っているものはどれか。
1. 一括査定サイトからの問い合わせは、他の仕入れ手法に比べ受託率が高いため、問い合わせ下さったお客様全員から媒介を受託する意気込みで臨むべきである。
2. 一括査定サイトからの媒介受託率は10%を目標とすべきであり、これより高すぎる目標設定はかえって危険である。
3. 一括査定からの問い合わせは基本的に薄い(確度の低い)お客様が多いため、案件ごとに一喜一憂せず淡々と取り組むべきである。
4. 一括査定サイトを嫌っている不動産仲介プレイヤーは多いが、一括査定で成果の出せない営業担当は今後苦戦が予想される。
【正解肢】1
【解説】
1.(誤)不動産一括査定サイトからのお問い合わせは、チラシやダイレクトメールに比べると媒介受託率は低い。その為、あまり気合を入れ過ぎると商談が不調に終わった時に落胆する事となる。従って、淡々と感情を動かさずに取り組んだ方が結果として媒介受託に繋がるケースが多い。
2.(正)梶本のクライアント先の一括査定媒介受託率は2010年が11.04%(総反響数:1331件 総媒介受託数:147件)、2009年が9.94%(総反響数:1237件 総媒介受託数:123件)であった。一括査定の媒介受託目標は高くとも15%程度の設定すべきであり、それ以上の目標に挑むことは営業担当を消耗させ、他の仕入れ施策が疎かになる可能性がありお勧め出来ない。
3.(正)肢1の解説の通り。まるで機械にでもなったかのごとく、感情を動かさず取り組み事をお勧めする。「又、電話が繋がらない!」、「全然アポイントが取れない」等とイライラすれば問い合わせ対応の初動が遅れる原因にもなりかねない。
4.(正)一括査定サイトを嫌っている仲介営業担当は多く、受託出来ない状況が続くと「たまたま何件か受託出来た反響もあるが、やっぱり一括査定サイトは駄目だな。来月にでも退会しよう」という結論になりがちである。このような心理状態になる事も理解出来るが、今後、ネットからの売却問い合わせは益々増加する事が予想されるため、一括査定で成果の出せない営業担当は今後苦戦が予想されるとする本士肢は正しい。
※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治(株式会社レコ)のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しておりますが、本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。
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