売却の前にまずは相続登記が必要です
相続物件を売却する際の流れは、通常の不動産を売却する場合とあまり変わりません。しかし売却をする前に、相続登記をしておく必要があります。この相続登記によって、不動産の名義を自分の名義にしておかないと売却はできないので注意しましょう。相続登記はいつまでにしなくてはならないという期限はないですが、売却時にスムーズに話を進めるためにも早めに済ませておくといいですね。
相続登記は自分で行うことも可能で、登記申請書の様式などは法務局のホームページで確認することもできます。しかし、登記する物件の種類によって用意する書類も費用も変わるので、専門知識を有した弁護士や司法書士に依頼するのがおすすめです。
売却費用もあまり変わらないけれど・・・!
相続物件を売却する際の費用も通常の場合と大きくは変わりません。おおまかには不動産会社に支払う仲介手数料と税金です。
しかし、確定申告の際に適用できる特例に違いがあります。売却の際に譲渡所得が課税対象となった場合には確定申告をしなくてはならないのですが、場合によっては高額な税金が課されることがあります。課税対象である譲渡所得の計算方法は、売却金額から取得費と譲渡費を引いたものになります。
そのためこの取得費がいくらになるかで、税金の額も大きくかわりますが、相続物件に関しては「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」の適用を受けられる可能性があります。この特例の内容を簡単に言うと、相続税の一部を取得費に加算して譲渡所得を計算できるというものです。
この特例を受けるためには
・相続や遺贈によって財産を取得している
・相続税が課されている
・その財産を相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売却している
という条件があり、特に3つ目の条件には注意が必要です。特例を受けられる期限があるので、把握しておきましょう。また、平成27年1月1日以降に相続された物件について、取得費に加算する相続税額は(相続税額☓(不動産の資産価値/相続税の課税価格))という式で計算できます。
確定申告の際には相続税の申告書の写しや、取得費に加算する相続税額の計算明細書、譲渡所得の内訳書などが必要です。事前によく確認しておきましょう。