誰もが知っている大きな公園から、子供の頃遊んでいた小さな公園まで、都内には膨大な数の公園があります。その公園の歴史や背景を調べてみると、ひとつひとつに興味深いエピソードや逸話があるようです。

今回は、JR「王子駅」降りてすぐのところに位置する「音無親水公園」をご紹介したいと思います。(リビンMagaZine編集部)

王子駅を降りてすぐ!音無親水公園


(撮影=リビンMagaZine編集部)


JR王子駅、いくつか改札があるのですが、よく見ると「親水公園口」というのがありました。親水公園口、というと、それはやはり、音無親水公園に近いということでしょうか…。


(撮影=リビンMagaZine編集部)

はい、目の前にこんな景色が広がりました。近い!
わぁ、木々の緑が深いです。


(撮影=リビンMagaZine編集部)


親水公園、というだけあって、水に入れるエリアがある様です。これは夏にはうってつけの公園と言えそうです。

趣深い雰囲気の公園


(撮影=リビンMagaZine編集部)


木製の手すりに石段を下りていくと、静かな水のせせらぎと、苔むした石垣が見えてきました。水車のゆっくりとした動きに、心が和みます。


(撮影=リビンMagaZine編集部)


中央部に架かる木造の橋は1958年(昭和33年)に関東に甚大な被害をもたらした狩野川台風で流された橋を復元したものだそうです。

音無親水公園の歴史


(撮影=リビンMagaZine編集部)


この音無親水公園は、石神井川の「跡地」だそうです。石神井川は北区の辺りでは「音無川」と言われ、親しまれてきました。
江戸時代には8代将軍徳川吉宗によって飛鳥山公園と共に整備され、風光明媚な場所として多くの人々で賑わっていたのだとか。
その光景は、江戸時代の浮世絵師である歌川広重の「名所江戸百景」にも残されています。そこには滝が描かれており、音無川の清流と、桜の淡い花の色とのコントラストがとても美しいです。

昔は滝が多く存在していたそうで、それらは「王子七滝」と呼ばれていました。この辺りにも「権現の滝」と呼ばれる滝が存在していた様です。
現在は、その権現の滝を再現した滝が流れています。ちなみに、現存する「王子七滝」は唯一「名主の滝」だけで、現在は「名主の滝公園」として、北区で人気の自然豊かな公園の一つになっています。

戦後、石神井川の清流は生活排水で汚染されていきました。そして洪水などの被害を防ぐために昭和30年代から治水工事によって流路も変更されたうえ、分厚いコンクリートで覆われ、かつての美しい光景は姿を消しました。
しかし、その音無川の旧流路に、かつての清流を復活させたい!という熱い想いが集まりました。そして1988年に誕生したのが、この音無親水公園だということです。
そしてその取り組みは都市公園の模範として「日本の都市公園100選」にも選ばれています。
昔は綺麗だったのに…というだけで終わりにせず、時代と共に姿を変えた清流を取り戻そうと作られた公園。多くの方々の想いを感じながら音無橋を見上げました。
春は桜、夏は水遊び、秋は紅葉が楽しめるこの場所は、形を変えた今もなお、多くの人達から愛されています。

 

(撮影=リビンMagaZine編集部)

音無橋周辺、ぶらり散歩


(撮影=リビンMagaZine編集部)


音無親水公園から階段を上ると音無橋に出ます。レトロな雰囲気です。音無親水公園の木々の緑を橋の上でも感じられます。音無橋の近くには、都電荒川線が走り、どこかゆったりとした雰囲気ながら、道路の交通量は比較的多い場所です。それでも、息が詰まる様な閉塞感がないのは、間違いなくこの豊かな緑のお陰です。
都市と自然の共存は難しい、そんな風に考えられていた時代もあったのかもしれません。でも、こうして多くの人によって想われ、作られ、守られている自然がある。何だか誇らしくて、胸がいっぱいになりました。

日本の都市公園100選に選ばれた理由が、良く分かりました。


(撮影=リビンMagaZine編集部)

音無橋の上から音無親水公園を見下ろすと、家族連れが水遊びを楽しんでいました。近所にこんな公園があったら、子供だけでなく大人も楽しめますね。
こうして橋の上から眺めていると、まるで緑のエアポケットみたい。眼下に広がる豊かな緑の空間に、そんな事を思いながら歩いていると…見えました!


(撮影=リビンMagaZine編集部)

都電荒川線が走ってきました!車の中から遠くに見たことはありましたが、こんなに近くで見るのは初めてです。悠然と道路の真ん中を走る姿は、とても可愛いです。


(撮影=リビンMagaZine編集部)


少し歩いていたら、懐かしい佇まいの銭湯をビルの狭間に見付けましたよ!
レトロな雰囲気に、しばし昭和にタイムスリップしたような時間でした。
皆さんもぜひ、ゆっくりと歩いてみてください。

【音無親水公園データ】
所在地:
〒114-0022 東京都北区王子本町1丁目


交通:
JR京浜東北線王子駅徒歩1分

都電荒川線王子駅前徒歩2分
問い合わせ:
北区 土木部道路公園課公園河川係
TEL:
03-3908-9275

 
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