賃貸仲介業を成功に導く極めてシンプルな5つのこと

賃貸仲介ビジネスは大きく変化しています。賃貸仲介業領域を得意とするコンサルタントの南智仁さんが、賃貸仲介の現場で繰り返される新しい風景を独自の視点で伝えます。(リビンマガジンBiz編集部)

 

画像=写真AC

 

賃貸仲介事業で売上を向上し、事業を軌道に乗せる「型」のようなものは、ないか。十年前の私は、そうした「五輪書」のような書籍を探していた。現在では、電子書籍の発達により、ヒントがありそうな書籍も、以前に比べて多く目にするようになった。

 

しかしながら、その当時は、な「奥義の書」といえるものは、皆無に近かった。ちなみに書店に行き、不動産関連のコーナーに行くと、そのコーナーに陳列されている書籍の大半が不動産投資の本である。不動産事業者向けの書籍というものは、本当に限られている。勿論、需要の問題もあるのだが、そのなかでも賃貸仲介のノウハウの書籍はほぼ皆無である。

 

このようなことを思いながら、現在も仲介業のご支援を行っているのだが、最近ふと考えたことがある。それは、「賃貸仲介業を伸ばすコツやノウハウは、書籍にできるほどのボリュームがない」ということである。つまり極めてシンプルなため、特段書籍にして市場に流通させる必要がないのである。

 

勿論、エリアの特性を把握して戦略を立てたり、細かい戦術的なところの話をすると、当然シンプルではなくなり、それなりの文量になってくるのは、間違いない。また、多くの反響獲得を達成させるために、どのような媒体でどれほどコストをかけ、どのような物件を掲載するか、のような話も、地域性や経営環境によって大きく変わるため、極めて複雑だ。しかしこうした内容は、トレンドもあり、戦術が流動的なため、あまり書籍として流通させる意味合いは薄いのだろう。

 

ただ、繰り返すが、根本の対策はとてもシンプルだ。細部に気をつけなければいけないものの、まず手を入れるべきもの、そして注力すべきことは、大まかに5つほどしかないような気がする。

 

そんなわけで、今回は、とてもシンプルに「賃貸仲介業を成功させるコツ」のようなものを紹介してみたいと思う。見知った話も多いのかもしれないが、改めて参考にして頂ければ幸いだ。

 

・コストを勘案しながら、反響を増加させる

これまで多くの成功した賃貸仲介業の会社を見てきたが、成功している仲介会社は、「とにかく反響数が多い」かつ「そのコストをコントロールできている」。これに尽きる。反響数というものは、ある程度、掲載コストや人的コストを投下すれば、一定以上の成果は得られる。しかし、コスト増になると、全く収支が合わなくなる。また逆に、自社HPやSNSのみで地力で反響を獲得しようとすると、今度は、反響自体が獲得できなくなる。これも事業的には厳しいものがある。もちろん、もし自社、独自の集客導線を確立できれば、それが一番の成功だろう。しかし、もしそうした独自の集客方法が確立できなくとも、しっかりとコストを見ながら反響獲得ができれば、それだけで事業のひとつの大きな壁はクリアすることができる。

 

・追客し、反響成約率を伸ばす

一件の反響に対して成約率を増加させるためには、返信のないユーザーに対してのアプローチを行う。また、内見後、検討しているユーザーに対して再アプローチを組んで再度物件提案をする。

 

きわめて、これもシンプルな話だが、これを徹底させることは、「実際はかなり難しい」。反応のないユーザーにアプローチをしても、すべて成果に繋がるわけではない。ただし、こうした所謂「地味な営業活動」を徹底して行うことが、とてもシンプルな成功の近道であることは間違いない。

 

・メンバーの営業力を上げるための育成を徹底するいろいろと多くの仲介業の支援ツールがリリースされているが、根本的な売上の成否を分けるものは、「営業力」である。

仲介営業のマニュアル策定、ロープレなどの育成制度の確立、そして目標セットと営業の振り返りなど、かなり細かく育成のフォローをしていかなければならない。

 

またそれと同時に、評価制度の確立も重要だ。歩合給の基準から、評価の方法など、こちらも設定する必要がある。

 

多くの成功している仲介会社は、上記の育成制度がかなり充実している割合が高い。逆に育成制度が弱い仲介会社は、やはり売上に苦戦していることが多い印象だ。

 

・案件管理の仕組み化、数値管理

申込を獲得した契約案件をしっかりと管理し、引き渡しまで行う。これを個人任せにせず、チーム、店舗全体で把握できるようにしておく。

 

申し込みを一定数、獲得すると、業務のタスクがパンクしがちになる。このあたりをしっかりと管理し、滞りなく進めることができれば、メンバーの行動量も増加する。

 

また売上数値の管理も同様に日次で細かく管理する。当たり前の話かもしれないが、これも意外と徹底できていないところが多い。数値の管理は、週単位、月単位と管理頻度が長くなればなるほど、情報共有の精度は落ちる。成功している仲介会社は、このあたりの管理を徹底している。

 

・店長(チームの管理者)が成否の鍵

これは、どの業種もそうかもしれないが、現場責任者の力量は、本当に売上に大きく作用する。店長の育成や管理体制の確立などは、仲介会社では避けては通れないところだ。よくある話だが、店長が変わっただけで、大きく売上を伸ばした事例を数え切れない程見てきた。逆もまたしかりだ。

 

しかるべき店長がいないと、なかなか売上は安定していかない。

 

以上の5つのポイントが「賃貸仲介業の奥義」だ。この5つをクリアすれば、かなりの高確率で事業は、成長するだろう。

 

しかし、繰り返すがシンプルな対策ながら、ひとつひとつは、意外と奥が深い。

 

また、こうしてまとめてみると、いくらオンライン化やDX化が進んでも、「人」によるところが多い事業であると改めて感じられる。

 

この5つの定義が変わったときが、仲介業の大きなパラダイムシフトなのかもしれない。

 
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