今回は前回に引き続き、プロパンガスについて、明確にしておくべき5つの誤解のうち、

3つ目と4つ目をお伝えします。

(3)「プロパンガス会社はエリアで決まっている」という誤解

例えば、あるディベロッパーが、某市に分譲住宅を100戸建築したとします。

こういう場合、ディベロッパーが、取引関係にあるプロパンガス会社A社に100戸への供給を依頼することはよくあります。 

その建て売り住宅を購入したあなたは、周囲がすべてA社であれば「このエリアはA社が供給することに決まっているのだろう」と思い込んでしまうと思います。

しかし、実際はどのプロパンガス会社と契約するかは100%家主の自由です。

ただ、建て売り住宅の場合は、家が完成する前にプロパンガス会社が決まってしまっています。

プロパンガスの配管は床下や壁の中に通すことが多く、完成してからでは配管を通すことが不可能だからです。

注文住宅なら自由にプロパンガス会社を選ぶことはできます。ただし、最初に自分でガス会社選定をしたい旨をはっきり伝えておかないと、

ハウスメーカーや工務店が勝手に知り合いのガス会社に工事を発注してしまう、などということが多いです。

中古住宅の場合は、前の方が契約していたガス会社のボンベとメーターが残っているため、

そのまま契約すると高い料金設定になっていることが多いのです。

(4)「プロパンガス会社は変更できない」という誤解

特に地方中小都市で誤解が多いです。

これは仕方のないことで、プロパンガスの消費者の単なる誤解ではありません。

実際多くの地方都市では、「表向き=変更自由、実質=変更不可」なのです。

どういうことかと言うと、法的に「家主の業者選択の自由」が保証されています。これに異を唱える人はいないはずです。

しかし現実には、プロパンガス業界には”他社の顧客は取らない”という暗黙のルールが存在しているため、変えようとしても応じてくれるガス会社がない場合が少なくありません。

このルールが、50年間も厳しい掟として全国的に生き続けており、ガス会社を変更できない時代がずっと続いてきました。

誰も変更した経験がないのだから”変更できない”と思っていても当然のことなのです。

しかし、1997年にプロパンガスの法律が改正され、新規ガス会社の参入が可能になった結果、関東や東海、北海道、東北などでは”自由に変更できる”環境が整ってきたものの、

これらの地域の方でもまだまだこの事実を知っている方は少数派です。

2017年の4月には都市ガスの自由化がスタートします。そうなれば、エネルギー全体が注目を集め、誰も知らなかったプロパンガスの”闇”の部分にも光が当たるようになると思います。

誤解の5つ目は次のコラムで!!

お楽しみに!

 
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