前回に続いて、世界最大級のオークションサイト「eBay」を使った輸出ビジネスを実践的に学ぶことができる「はじめてのeBay実践講座」の様子を紹介しよう。


【前回の記事】

3部構成の第2回目である「eBay出品実践講座」は、受講者が持参した商品を、セミナー時間内に実際にeBayに出品をすることが最大の目的である。

今回もイーベイジャパン公認コンサルタント荒井智代氏のもと開催された。

「eBay」の貿易ビジネスは魚釣り?出品・撮影方法の極意

画像を使って写真撮影の説明

荒井氏は、eBayを使ったビジネスを「魚釣り」に例えた。

単に糸を垂らしているだけでは魚が釣れないように、eBayもただ出品するだけでは、なかなか売れない。

eBayの出品には、3つの重要ポイントがあるという。

タイトルの付け方

まず、出品した商品がバイヤーから検索されなければ意味がない。

「検索されやすいキーワードをちりばめておく」ということが、売れるためのポイントだ。

eBayは英語表記のサイトだ。

商品を英文で表現することを難しいと感じるかもしれない。しかし、タイトルは単語で伝えたいワードを盛り込むだけで問題はないという。

写真の撮影方法

eBayに限らず、ECサイトでは、写真がとても重要だ。

eBayでは、掲載できる写真は最大で12枚まで。枚数が多いとバイヤーも商品を購入する際の安心材料になる。特に、検索画面に出てくる1枚目の写真が非常に大切で、1枚目の写真次第では、売値が2~3倍も変わることもあるという。

荒井氏は、最低でも8枚以上は載せることをおすすめした。具体的な撮影方法については後ほど紹介しよう。

価格設定

当然、出品する商品の相場をきちんと把握しておくことは大切だ。

しかし、荒井氏のアドバイスとして、eBayでのビジネスをスタートすぐの時期は、利益を求めるのではなく、アカウントの信頼を得るために、販売経験を優先させることをおすすめした。はじめから大きな利益を稼ごうとせずに、高評価が受けられる方法やeBayでの取引経験を積み上げることが重要だ。


売るためにはタイトルのキーワード、写真の工夫、こまめな価格調整など、ちょっとした努力が必要となってくる。

売上に直結!商品の撮影方法

商品の撮影で使った撮影スタジオ

具体的な商品の撮影方法のレクチャーも行われた。

受講者ひとり1人が持参した出品商品を撮影していく。

きれいに写真を撮影するためには、上記のような簡易撮影スタジオを用意すると見栄えが大きく変わるという。安いものでは4,000円ほどで購入でき、折りたためるため場所も取らない。荒井氏が付き添い順番に撮影していく。

撮影方法をアドバイスする荒井氏

ちなみに、撮影するカメラはスマートフォンで問題ない。

受講者が持参した商品は、こけしやうちわ、キャラクターグッズや古本など、自宅で眠っていた中古品を持参した人が多く、利益というより販売経験を積むことを目的として商品を持参した人がほとんどだった。

eBayで押さえておきたい「ビジネスポリシー」とは

出品実践を手解きする荒井氏

写真撮影も終わり、いよいよ出品へと移るその前に、商品を出品する際に必要となる「ビジネスポリシー」が説明された。

ビジネスポリシーとは、支払い方法、発送方法、発送や到着までの日数、そして返品のルールについて、バイヤーにわかりやすく提示するための設定だ。ビジネスポリシーを事前に設定しておくことで、出品や出品後の管理をより簡単にすることができる。

ビジネスポリシー設定も全て英語のため、荒井氏の説明も交えつつ丁寧に設定を行っていった。

そして出品方法の説明へと移る。

出品の大まかな流れは以下の通りだ。

①タイトルの作成(検索されやすいように上限文字数をフル活用)

②商品のカテゴリーを選択

③コンディション(新品や中古、商品の状態など)

④写真をアップロード

⑤出品テンプレートを使ってビジネスポリシーの明記

⑥価格の設定

特に重要なものが、⑤だという。「出品テンプレート」と呼ばれる、ビジネスポリシーを明記した文章を事前に作成しておくことで、今後の取引でも汎用的に使うことができるのだ。

商品が売れた後の流れ

受講者の質問に答える荒井氏

受講者の出品が終わると、次に商品が売れた際の流れを説明する。

eBayビジネスでは、商品が購入され、出品者がバイヤーへと商品を送り、バイヤーの元に商品が届き始めて成約となる。ここでは、主に商品の送り方などの説明を行った。

海外への郵送にかかる料金は全て重さで決まる。できるだけ軽くて強く梱包することが郵送のコツだ。

自宅にプリンターや測りがあると非常に便利になるので常備しておいた方が良いだろう。ここでは割愛させて頂くが、郵送に役立つ梱包材料の説明、送付状の作成方法の説明などが細かく紹介された。

eBay輸出セミナー今後の流れ

次回の宿題を真剣に聞く受講生

最後にeBay輸出セミナー今後の流れと、次回のセミナーまでにやっておく宿題の説明があった。

2019年12月に開催される第3回に向けて出された宿題は、「売れた商品の梱包発送」と「10品500ドルまで出品する」という2点。引き続き、不明な点や質問は随時チャットツールで聞くことができる。

eBay輸出は継続が非常に重要だ。商品リサーチと出品を毎日30分以上続けていくように受講者へと促して、セミナーは終了した。

 
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