多くの危険をはらんでいる空き家。
空き家の増加は人口が減少している地域にとって、大きな問題となります。
そんな地方の行政が行っている空き家対策とはどのような取り組みなのでしょうか。
○空き家にはあらゆる危険が潜んでいる
誰も住まなくなり放置されてしまった空き家の急増が問題視されています。
空き家が増えれば、その地域の環境や景観は損なわれてしまいます。
しかしそれだけではなく、災害時には倒壊して近隣住民の避難経路をふさいでしまったり、不法侵入や放火などの犯罪につながるなど、空き家にはあらゆる危険が潜んでいるのです。
日本では、住宅が建っている土地の方が、更地の土地よりも固定資産税が安いということも、多くの空き家が放置されている原因。
日本の各地でこの空き家問題は深刻化し、早急な対応が求められています。
○各地方の行政による空き家対策の取り組み
老朽化の激しい空き家が増えれば、倒壊の危険性が高いだけではなく、地域の景観は損なわれてしまいます。
そうなると、新しくそこに移り住もうと思う人は減ってしまうかもしれません。
また犯罪の温床となる空き家のせいで治安が悪化し、人口が流出してしまうということも考えられるでしょう。
空き家が増加することは、人口が減少している地域にとってマイナスでしかないのです。
そんな各地方の行政は、少しでも空き家問題を軽減するために、あらゆる取り組みを実施しています。
平成22年に埼玉県所沢市は、管理不全な状態の空き家の所有者が勧告などに従わない場合、その所有者の名前を公表したり警察への依頼、最終的には撤去できるという条例を制定しました。
そして条例の制定後には、空き家の撤去数も大幅に増加。
その効果が認められ、全国的にも空き家に関する条例の制定が進みました。
勧告に従って空き家を解体するなら、その費用の一部や大半を補助するという行政も少なくありません。
他にも、空き家の利用を希望する人へ物件情報を提供し、空き家の有効活用を促進するための空き家バンク。
この空き家バンクは多くの地域の自治体が取り組んでおり、中には補助金や奨励金、税金の減額など移住の促すための制度を設けている場合もあります。
○空き家所有者一人一人が考えることが何よりの対策
平成27年には空き家特別措置法が施行され、税金の優遇を除外されたり、強制的に対処させられることとなりました。
このように、今後も空き家に対しての規制は強化されていくと見られています。
しかし、空き家は今後も急激に増加していくはず。
どれだけ対応を急いでも、空き家増加のスピードには追い付けないと思います。
空き家の所有者がそれぞれ問題意識を持ち、維持管理や有効活用について考えることが一番の対策と言えるのではないでしょうか。