婚姻関係にない男女間に生まれた非嫡出子。
そんな非嫡出子には遺産を相続する権利があるのでしょうか?
そして相続の際にトラブルにならないためにしておきたいこととは?
お父さんに愛人がいて、その愛人との間に子供までいた。
現実味がなさすぎてイメージしにくいという人も多いかと思いますが、一般の家庭だったとしても絶対にないとは言い切れません。
では愛人との間に生まれた子供などの非嫡出子には、相続する権利があるのでしょうか?
○非嫡出子とは?
そもそも非嫡出子とは、どのような子供を指すのでしょうか?
隠し子のことかな?となんとなく解釈している人も多いと思います。
まず嫡出子、非嫡出子というのが、どのようなものかを説明しておきましょう。
嫡出子は婚姻関係にある夫婦間に生まれた子供。
細かく言えば、婚姻中に妊娠した子供や婚姻後201日以後に誕生した子供、父親が亡くなったり夫婦が離婚してから300日以内に誕生した子供。
他にも、未婚の時に生まれてから父親と母親が婚姻し、父親が認知した子供や養子縁組の子供が該当します。
対して非嫡出子というのは、法律的に婚姻関係にない男女間に生まれた子供。
また、上記の細かな条件に該当していない子供を指します。
○非嫡出子にも嫡出子と同等の相続権がある
問題の相続権ですが、非嫡出子にも遺産相続の権利が認められています。
以前は非嫡出子の相続分は、嫡出子が相続する半分と定められていました。
しかし今では、法律が改正されて嫡出子も非嫡出子も相続分は同じとなったのです。
その理由というのは、すべての国民は平等であって差別されないという憲法十四条に反しているからというもの。
なのですが、ここで「認知されているかどうか」というのが非常に重要なポイントとなります。
というのも、認知されていれば相続の権利がありますが、認知されていなければ相続の権利は認められないからです。
非嫡出子の場合、戸籍には父親の名前が空欄となっています。
父親が認知をすることで、ようやく父親の名前が戸籍へと載るのです。
○相続トラブルにならないためには、遺言書を作成しておくこと
相続はただでさえややこしいものですが、非嫡出子がいればさらにややこしくなります。
また夫婦間の子供からすれば、急に現れた愛人との子供には遺産を渡したくないという気持ちにもなるかもしれません。
そのため相続の際にトラブルとなってしまうケースも少なくはないでしょう。
遺された人たちが相続に関することで揉めないようにするには、遺言書を作成しどのように遺産分割を行うかの自分の意思を示しておくという方法もあります。
その必要がある場合は、なるべく早く準備することが大切です。