不動産の売却を担当していると、多くの物件を見ることになります。そのおかげで、その物件が売れそうかどうかを判断するときに、色々な視点で検証しています。やはり高額な資産の取引ですから、買い手の方からの質問や要望などを聞いているうちに、それまでは意識していない部分にも目が行くようになりました。特に、建物自体よりは、設備や周辺の環境について聞かれることが多く、買い手の方も良く見ているなぁと感心しています。

買い手の方が質問するということは、その部分に何かしらの価値判断を求めているということになります。人によって多種多彩な内容ですが、投資物件の場合には、ある共通の基準で見ていることはわかります。それは、物件の購入によって、収益は得られるのかという基準です。「収入が増えて、支出が減る」ように物件を購入したいという視点から買い手が見ているということです。

今回は、収益を得る目的で、買い手が投資物件を見ている意外なところの1つをお話しします。

基本的に不動産投資物件の経営で収入と言えば、ほぼ家賃ということになりますね。買い手の収支試算でも、入居状況によって収入が変化し、利回りも変わってくるところを検討しています。家賃収入は、家賃が決まっているので年間を通じて固定です。したがって収益を増やそうと思えば、いかに経費を抑えるかというところを最初に思いつくのですが、経費も退去後の原状回復費用や建物のメンテナンス費用を抑える以外には、毎月決まった費用がかかります。

思ったようには、収益は増えないかなと思ってしまいます。そこで、投資物件の収入増に一役買っているのが、自動販売機です。自動販売機の設置業者との契約内容によりますが、商品の売上に対して手数料をもらえるだけでなく、いわゆる場所代ももらえる場合もあります。商品の売上に比例するため安定しているとは言えませんが、そこそこの収入が得られます。

私の担当したお客様も、物件資料をお見せするときには必ず自動販売機の有無と周辺の設置状況を調査しておいてほしいと依頼されていました。実際に購入された物件は、自動販売機が2台既設で、契約を更新可のアパートでした。周辺にはコンビニもなく、自動販売機はこの物件のほかにないというポイントに目を付けて、即買付をしました。購入後は3台目の自動販売機を追加して設置したとのことで、月々20,000円前後の収入になっているそうです。

自動販売機を設置している場合には、このような家賃以外に収入を増やすことが出来るというプラスポイントに買い手は目を付けてきます。

自動販売機を設置している売主のオーナーさんもこの視点をうまく活用して、売却戦略を練ると良いですね。

 
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