不動産の売買は、色々な形で取引されています。そうはいっても、インターネットでワンクリックで権利移動し売却ができることはないですが、売主のオーナーさんは、物件を上手に早く売却するために多彩な手段を使っていますね。

物件を売却するためには「どれだけ多くの買い手が自分の物件について知ってもらえるか」という要素が大きいとは思います。しかし、これがすべてではないのです。知人の中に購入ターゲットがすでにいる場合や買い手の方から売却の依頼が来る場合もあり、世間に知られることもなく売買が成立することもあり得ます。

今回は、買い手の顧客獲得のため、物件情報を公開する方法と非公開で進める方法のそれぞれの長短所についてお話しします。

通常、売主のオーナーさんが単独で物件の買い手を見つけ、売買契約を行い、決済引き渡しまですることはありません。不動産会社に物件売却の仲介を依頼することが一般的です。依頼を受けた不動産会社が、物件の詳細を調査して広告を作成します。ここで、広く買いたい人や誰にでも知ってほしい場合には、不動産会社のホームページに掲載してもらったり、新聞広告やチラシを利用したりして情報を公開していきます。一方、一般の人には非公開で売却を進めることも可能で、その場合、自分の知っている人物や不動産会社の仲介担当の営業範囲内で募集することもあります。

物件情報を公開することで、多くの物件を探す人々の目に留まり、問合せを増やすことが出来ます。インターネットで公開すると、物件の所在する地区だけでなく、全国から物件の問い合わせがくることが期待できます。その結果、売却先も早く決まることにもなります。場合によっては、多くの購入希望で競争が生まれ、価格などの売買条件を売主側に有利に進められるかもしれません。ただ、物件情報が新しいうちは良いのですが、なかなか買い手が決まらず、長く公開していると売れない物件という印象を持たれてしまう可能性も出てきます。

非公開にする場合にもメリットはあります。私が売買の担当をしていた時も、物件の情報を公開せずに自分が付き合いのある顧客で商談が進められそうな場合にはあえて、ホームページで公開していませんでした。仲介を依頼した不動産会社の紹介する顧客なので購入してくれる可能性の高く、売主のオーナーさんも安心して売却を期待できます。また、私の経験ではオーナーさんの要望で、売却を計画していることを周りに知られたくないという要望もあり、非公開で進めることがありました。売却理由は人それぞれありますので、情報を非公開にすることで、必要以上に売却の活動を知られずにすむという利点もあります。しかし、不動産会社が買い手を見つけられない時に非公開に希望すると、買い手の顧客の範囲がせまくなり売却できないリスクもあります。

物件の売却という行為自体は変わりませんが、売主のオーナーさんの都合や買い手の想定をしっかり検討して、公開するかどうかを決めると良いでしょう。

 
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