こんにちは、

相続士・ファイナンシャルプランナーの

澤田朗です。

相続税における土地評価を行っていくなかで良く遭遇するのが、「この土地は広大地に該当するのか?」という問題です。例えば1,000平米・2,000平米といった大きな土地が「広大地」に該当すると、最大で評価額が65%下がる、つまり100の評価の土地が35まで下がるということになれば、このような土地を所有する地主の方や、将来その土地を相続することになる親族はもちろん、顧問である税理士の方にとっても、「広大地」に該当するかどうかは大きな関心事となります。

ただこの広大地、平成29年度の税制改正で評価方法が見直しされる見通しとなっています。現行での広大地の評価は、地積の大きさによって減額をする評価方法のため、その土地の形状によっては実際の取引価格と相続税評価額とのかい離が大きくなっている事例が多くなっています。つまり、形の良い土地も悪い土地も平米数が同じなら、取引価格は前者が高くても相続税評価額は同じということです。

そこで改正案は、それぞれの土地の形状にあわせて評価をする方法に変更し、実際の取引価格と相続税評価額とのかい離を少なくしようという内容となっています。要するに、実際の取引価格は高い土地なのに相続税評価額は低いというのはおかしいでしょ、ということです。どのように改正されるかはまだ決まっていませんが、形の良い土地については、現行よりも評価額が高くなるのではないかと思います。あくまでも憶測ですが。

ただ、広大地に該当するか否か、という点については改正されませんので、あらためて広大地とは何かということについてお伝えしたいと思います。

広大な土地のすべてが広大地に該当するかというと必ずしもそうではなく、一定の条件にあてはまる土地が広大地に該当し、一定の評価減の恩恵を受けることができます。裏を返せばいくら大きな土地であっても広大地に該当しない土地もあり、その場合はあまり評価額が下がらず、遺された相続人の税負担が大きくなるケースもあります。

昨年末から今年にかけて3件の土地評価を行いましたが、いずれの案件も「この土地は広大地に該当するのか?」という判断が必要な土地に遭遇しました。その都度さまざまな状況を考慮したうえで該当するのかを判断していくのですが、では、どのような土地が広大地に該当し、あるいは該当しないのでしょうか。色々な土地を見て事例を積み重ねていくことが必要ですが、ある程度の判断基準を知っていれば、明らかに広大地に該当する・該当しないという判断はできるようになると思います。

次回からは広大地に該当するまでの判断基準について国税庁の通達等をもとにお話をしていきます。

(続く)

 
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