不動産より価値があったもの

 

訳あり物件専門家 白石 麗花です。

今日の相談事は

固定資産税等の税金を滞納している

実家を相続するんですが、25年も行き来がない親戚と

共有名義になっていてどうしてよいのかわからない。

地方の殺害物件の査定依頼。

同じく地方の親子自害の価格の査定依頼。

価格のつかない負動産。

たとえば

地方の不動産はなかなか売れない、というか、とても売りにくいものが多いです。

首都圏と違って、面積の95パーセント以上が調整区域か、

未線引き区域ですから、当然に流通性は低いものが多いということになります。

 

3年ほど前のことですが、お呼びがかかって田園風景の中を

ドライブしながらとある県の田舎町に行ってきました。

周辺は山林と田んぼばかり。

石を加工して卸す石材加工で栄えた地域だったらしいのですが、

不況により活気がありません。町全体が沈んでいる雰囲気です。

その依頼主さんも、代々石材加工業と農業で生計を立てていたようですが、

収入がどんどん減って自宅に税金の差し押さえを受けてしまっていました。

 

土地で約500坪、建物は立派な日本瓦を構えた築50年ほどの木造建築。

金融機関からの借り入れはありませんが、

税金の差し押さえ登記が入っていて、返せる見込みもないし、

商売も上がったりなので、何とか処分できないかというご相談でした。

 

広大な敷地に立派な家屋、母屋の隣には大きな蔵がまであります。

周りはぜーんぶ田んぼでお隣の家まで何百メートルも離れている。

調べたら調整区域内の立地で、

土地の地目の半分は農地です。簡単に売れるはずはありません。

周辺の不動産業者もないし、途方にくれながらいったんは帰宅です。

 

ネットで周辺業者を何とか探し出して相場やら、

売却方法を相談してみたものの、

「親せきに買ってもらうしかねーっぺよ」

「あのあたりはただでも買う人はいないよ」

と、とりつくしまなし。

そりゃ、そうだよね、ってかんじですよ。

そんなことわかってますよ。

だから相談してるんじゃない、ってもうあきらめムードです。

でも、

依頼者さんは一生懸命でもう一度来てほしいと

毎日のように電話が…。

仕方がないので、お役に立てなかったお詫びをするべく、

再び依頼主さんのもとへドライブに出かけました。

 

お会いして、お詫びして、お土産にお米までもらって

さよならしたのですが、

 

帰り際に、主屋の隣の蔵の中を見せてもらったのですが、

「ガラクタばかりでしょうがない」なんて言ってたんですが、

なんか刀やら、焼き物やら、巻物やら、

ちょっとかちがありそうな、なさそうな骨董品っぽいお宝(?)がザクザクです。

まとめてオークションにでもかけてみたらって

お声をおかけしたのを聞いていたご相談者の息子さん、

ほんとに業者を募ってオークションやっちゃったらしいのです。

 

後でお礼の電話が来ました。

いったい何がいくらで売れたのか。

結果、

滞納税金完済して、めでたしめでたしだったみたいです。

 

私は一銭にもならなかったけど、おいしいお米をいただけて、

明るい笑顔のお声が聴けたので、よかったよかった、でした。

 

田舎の不動産、問題は山積み~です。

相談はこちらまで 住宅ローンのご相談はこちらまで
 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ