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スペースリー・森田博和社長 (撮影=リビンマガジンBiz編集部)

—実際に導入しようとする不動産会社にアドバイスはありますか。

 

VRデータやコンテンツをしっかり蓄積することです。

さきほどの宅都のケースでは、繁忙期に1つの営業の方法として取り組んでもらいました。結果として、来店客も満足するし、成約率も上がるし営業スタイルとして使えることが実証されました。それも、部屋のVRデータが豊富にあったのからこそです。

 

導入しただけで満足ではいけません。

我々は徹底的にサポートをしています。導入時には店舗で無料レクチャーしますし、導入から利用が少ないと思ったら積極的に赴いて再度レクチャーをします。かなり分かりやすく作り込んでいますが、それでも使い方がイマイチ理解できていない方には、徹底してフォローします。

 

 

—オンラインとして自社ホームページにコンテンツを置くのと、営業として店舗で使う方法とどちらが多いですか。

 

導入直後は、オンラインのみで利用する企業が多いですが、コンテンツがたまっていくと接客にも使う企業が増えます。

 

利用方法については、VRに家具を加えてホームステージングのヴァーチャル版として活用する企業もあります。投資用不動産のVRにアクセスできるQRコードを印刷して、配っている会社さんもいます。

 

 

—不動産会社の不動産テックへの取り組み状況で感じることはありますか。

 

うまく使っていただいている企業でも、初めから効果を見通して使っていたかというとそうではありません。使いながら効果に気がついたという企業の方が多いようです。

 

まずは、「乗り遅れるのは嫌だ」という気持ちでも良いので検討してもらいたいですね。

 

VRのデータがあれば、それはデジタルな資産、デジタルアセットという考え方ができます。そのデータをしっかり整備していく企業がこれから強くなっていくでしょう。そうなると、重複したデータや非効率な部分が解消されて、結果として消費者にとって良くなると感じています。そういった企業がさらに伸びるはずです。

 

データを整理するという観点で、VRデータはリッチなデータです。これから大きな資産になっていくはずです。

 

スペースリー・森田博和社長 (撮影=リビンマガジンBiz編集部)

—データの整理は不動産業界の課題です。

 

今後は不動産データを整理して、効率的に使っていく方向に進んでいくはずです。そうなると、中間マージンをとるビジネスはどうしてもしぼんでいくので、その中で仲介がどのような役割になっていくか考えることは、とても大事なことだと思います。

 

今のように仲介手数料で稼ぐビジネスモデルがどれだけ継続していくかは分かりません。もっと付加価値を考えないと仲介の仕事がどんどんなくなっていくかもしれません。

 

より消費者が、生活にワクワクする、物件選び自体が面白くなるといった、付加価値は一例です。例えばリノベは1つの解です。リノベという付加価値をつけることで、付加価値をあげている企業がもっと増えると思います。

 

 

—VRで不動産ビジネス自体にも変化が起きるということでしょうか。

 

実は、当社のサービスを利用している企業向けにアンケートを取ったときに「どの部屋でもVRが有効というわけではない」という意見がありました。

 

つまり、すごく古い物件をVRデータで見せると、お客さんは興味を示さない。だから、魅力ある物件でしか使えないというわけです。どうやっても売れ残ってしまうような物件はVRでは解決できないということが、はっきりするということです。つまりは、淘汰が進んでいくはずです。そういった不動産全般への影響も出てくるのかもしれません。

 

 

—不動産会社の社員は、今までの不動産ビジネスのノウハウではなくデジタルマーケティング的な視点を持つ人が成功していくのでしょうか。

 

我々が作っているようなツールが普及すれば、デジタルマーケティングができるような人たちが成功しやすくなっていくでしょう。この動きは不動産業界に限りません。

 

当社もディープランニング研究を進めていて、デジタル上にある資産の価値を高めることができないか、試行錯誤しています。これは従来のアプローチとは全く異なります。

 

例えば、画像の処理をする際にディープランニングを使って、画像にある不要なものを除去することで、価値を高めることができるようになる。今のように効率的に処理するだけでなく、3次元にするなどの別のアプローチをして、これまでより価値の高いデータに変えていくことができるようになります。

 

ディープランニングを使って、まだ存在しないリノベーション部屋を作って、提案することもできるかもしれません。

 

未来だけではなく、貴重な文化財や再開発によって失われる建築物のデータを残しておくことも可能です。

 

おばあちゃんが住んでいた家をデジタルアセットとして残しておけば、生活を追体験もできる。言葉だけでは伝えられない部分を、デジタルアセットを使って残すことにはとても意義がある思います。

 

VRが、動画や写真のような1つのフォーマットとして将来は確立されていくんだろうと思って、開発や普及に取り組んでいます。

 

こういうフォーマットで残しておけば、何十年後に様々な使い方ができる。その可能性を感じています。不動産ビジネスは1つの解決法として分かりやすいのが大きいですが、我々が見ている世界はもっと広い世界です。

 

 

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