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リージャス・西岡真吾社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

 

 

―コワーキングについても日本人はシャイだから、自発的にコラボがうまれないという声もあります。

 

自戒も込めて言いますが、我々もイギリス発祥の会社です。

20年前に日本進出したとき、入社して日本と海外の違いに愕然としたことがあります。

ある程度の広さのオフィスコーディネイトが、2メートルぐらい幅のある机が2つ置いてあるだけだったんです。これが2人分のオフィスなんですね。

 

東京のオフィスで換算したら、50~60万円くらいの家賃になるんです。2人で使うから、1人当たり30万円になる。そんなのは、日本では絶対無理です。これは10人ぐらい座れるスペースなのに、それを「2人用で良い」、「これが、我々のスペックなんだ」とリージャスが持ってきたわけです。「ヨーロッパではこれはうけたんだから」とね。

 

そんな風な始まりだったので、案の定、すごく苦戦したんです。

私が入社して最初にやったことが、1年かけて全ての机を家具屋さんに返却して、1,200ミリ幅の机を持ってくることです。そうして、机を入れ直して、2人用の部屋を10人用の部屋にしていったんです。賃料は50~60万で変わらないけど、10人用になりました。これで入居が増えてきた。

 

最初は「日本法人の営業は能力がない」とか、かなり言われました。でも、違うんです。マーケットに合ってないものを、強引に持ってくるだけでは変わらない。

 

コワーキングオフィスというものも、お客様の声に耳を傾けて、日本のマーケットにあわせてもっと改良していく必要があると思います。

 

 

― 一方で、ブルーボトルコーヒーというものが日本に入ってきて、これまで注目されなかった清澄白河という街に光りを与える、というようなことは外資だからこそのチャレンジのように思えました。そういった挑戦は、今後考えてないですか。

 

いわゆる、オフィス街から出ていくことを既に始めています。

 

例えば、去年オープンした愛知県刈谷市での事例です。刈谷市といえば、デンソーやアイシンというメーカーの本社がある場所です。

 

そこに去年。オープンオフィスタイプのブランドで事業所を1カ所出したんですね。

 

エリアでいけば、名古屋市から20~30分ほどの工業地帯で、そこに工場と工場で働く方達の住宅があるという場所です。いわゆるオフィスビルは全く建ってないし、車社会なので、駅前に集積していることもない。

 

そこに新たな試みで、オフィスをつくったんですね。それが、ほぼ満室になっている。そこで、今度は隣の豊田市にもオープンしました。

 

 

―こういった試みは、新しい市場を作っていく可能性がありますね。

 

他にも、羽田空港や関西国際空港の中に作ったり、関空の中に作ったりしています。オフィス街ではない住宅地の中にある駅に小型のサービスオフィスを出してもいます。これも、実は非常にうまくいっている状況なんです。

 

それぞれが規模としては小さいです。だから、これからの不動産業界に大きなうねりを与えられるかどうか私は分かりません。しかし、住宅地とか工業地帯におけるオフィスニーズってものがあって、今まで顕在化しなかったかもしれないけれども、確かにあるんだということを発見できた。

 

企業側のオフィス戦略を変える可能性にもなってくるかもしれません。

 

 

リージャス・西岡真吾社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

 

 

―オフィスが変わったから、働き方、ライフスタイルが変わってきたのでしょうか。

 

それは逆でしょうね。ライフスタイルや働き方が変わったから、オフィスも変わってきているのだと思います。潜在的なニーズが、顕在化しつつあるんじゃないかな。変化は、あくまでも人ありきだと思います。

 

私は、もうすぐ50才になりますが、同年代と話していて、ネットワーキングイベントやりたいという欲求がないんですよ。コワーキングオフィスのように、固定の机がないとか、隣に誰が座ってるか分からないとこで仕事するって落ち着かない。

 

でも、若い方はシェアすることに抵抗がない。それも、お金がないとかネガティブな理由ではない。我々はマイホームとマイカーの世代です。マイカーないのに、女の子デートに誘えないという風潮でした。

 

そんなの若い方は全く理解できないみたいです。「無駄じゃないですか」って、全く噛み合わない。自分自身のプライバシーとかステータスより、シェアリングしたりコラボレートしたりで効率化する方が良いんですよね。

 

そういう多様化していくニーズに敏感であり続けることと、満足していただけるオフィス空間を工夫しながら提供していくことに挑戦し続けたいですね。

 
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