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リージャス・西岡真吾社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

 

 

―スタッフはいろんなニーズに対応するスキルが必要になる。育成するのは大変なのではないでしょうか。

 

それは、そのとおりです。

お客さまとは一見の付き合いではありません。名前も顔もキャラクターも仕事の内容も、全部分かってないと満足いただけるサービスは提供できない。そういう意味では、時間はかかりますよね。

 

私どものお客さまのニーズは、従来から5つのカテゴリーに分けられます。

 

1つ目は支店、営業所など、本社以外の事業所です。地方に本社を置かれている企業が東京での拠点にするというご利用の方法です。

 

2つ目は外資系の会社です。我々は海外にネットワークを持っていますから、外資系企業が日本進出の足掛かりとして使う時に選んでいただくことが多いんです。

 

3つ目が、短期プロジェクトでの利用ですね。これは、もう本当に多様なニーズがあります。例えば面接シーズンだけ使いたいとか、何かの3カ月間、6カ月間だけある部署で使うというものです。

 

4つ目は、本社の移転です。これは近隣に事務所を持たれている小規模な組織体制の企業が多いです。なんらかの事情で本社を移転する必要があるんだけど、事業は継続しているし、そんなに移転に時間もコストもかけられないという需要ですね。

 

それから、最後がスタートアップ、起業時に使うオフィスというものです。

 

これが従来の5つのお客さまの層だったんですね。これに加えて、増えてきてるのは、サテライトオフィスで従業員の住んでる住宅地のそばに拠点を作ったり、コワーキング的な使い方ができるオフィスを構えたりという使い方です。

 

 

SPACES大手町ビルのラウンジでも、様々な人が集まっている(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

 

 

―新たにコワーキング的な層が増えてきたということですね。多様化している。

 

この1、2年で非常に増えているのが、50人とか100人単位のオフィス需要の相談を受けるようになったことです。レンタルオフィスっていうのは小割になっていて、1人用、2人用、5人用まであるけど、50人用なんてオフィスはないだろうと、思われていた。

 

実際、50人用の仕切りはないんですよ。それが、この数年の間にかなり様相が変わってきて、そういった大口の会社が、ごそっと50人、100人で、我々の事業所のほうに移転されるというのが増えている。

 

背景には、やはりオフィス市場の空室率低下があると思います。これだけ、空室率が下がってきてるので、探そうと思っても探せないというのがあるのでしょう。

 

でも、マーケット的な要素だけではありません。企業にけるオフィス戦略として、例えば50人いるけど、これが2年後、3年後に50人が100人になるのか、あるいは15人になるのか、読めなくなっている。

 

そんな時代に自前のオフィスを構えて、固定資産投資をするのがリスクになっているのかもしれません。1年分の敷金を納めて、退去する時には原状回復などでまたお金を払うという商習慣が、オフィス戦略におけるフレキシビリティーを低減させているだけになっていると考える経営陣も増えているのかもしれません。

 

 

―不動産ビジネスにおいても変革が必要なのかもしれません。不動産テックが注目されているのは根底に、守旧の不動産ビジネスに対する懐疑的なまなざしがあるように思えます。

 

不動産ビジネスだけでなく、ビジネス全体に変革の気運もあるのだと思います。コワーキングへの注目はそこが大きい。コラボレーションやネットワークを、会社に取り入れていきたいという欲求です。

 

企業の中では同じ人間だけになっちゃいますからね。積極的にネットワーキングイベントに参加して、外の世界を見てもらいたいという経営陣が増えてきている。この数年、顕著に変わってきたなという感じはします。

 

 

―こういうオフィス事業にも、付加価値が求められてきている。

 

そうだと思いますね。やはり働き方の柔軟さや、コラボなど外部との接触によるイノベーションへのニーズが多いです。ブームだと言えば、ブームなのでしょうね。

 

正直なところ、20年の間で、こんなにオフィス業界にスポットライトが当たったことはなかったです。

 

政府で進めている働き方改革が大きなうねりになっています。

 

また、海外資本の企業が日本に来て、他業種の大企業が大きく出資しているという話題性に引っ張られています。本来は、そんなに派手な業界じゃありませんから(笑)

 

新しい不動産ビジネスが日本に来たといっても、普段は噂にもならないじゃないですか。

 

 

リージャス・西岡真吾社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

 

 

―業界はともかく、一般誌で報じられることはないですね。

 

だから、コワーキング、コワーキングと誰もがなびいているところはあります。我々も注目されていますが、浮き足立ってはいけないと思います。

 

例えば今の空室が、ずっとこのままで推移するとは当然思えません。それは今が良すぎるわけではなく、景気は循環するものだという当たり前の意味です。

 

コワーキングについても、ネットワークやコラボレーションだけで事業が回るものでもない。うまくいく企業とそうでない企業はある。最終的に経済効率が成り立たなければ、格好いいとか、おしゃれだ、だけでは続かない。それはビジネスの世界なのだから、冷静に見極めたいですね。

 

 

>>次のページ:オフィス街から離れたオフィス展開!?これからの戦略(3ページ目)

 

 
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