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VSbias・留田紫雲社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

 

 

空間としての不動産、無人ホテルは観光業のネックにも対応

 

―VSbiasでは、ホテル事業もてがけています。

 

Commune』ですね。

2017年の11月から開始した、当社が展開する無人ホテルのブランドです。

 

宿泊や観光産業に大きな可能性を感じ、自社でもホテル業を開始しました。今年中に100室ほどになると思います。

 

観光産業は、人材不足なんです。

例えば、地方に空き家が増えていて、一方で外国人観光客も増えている。だから、「空き家を宿泊施設にしたら儲かる」ということまで分かったとしても、「運営する人がいないからできない」という事例が多いんです。

 

宿泊施設は、普通の不動産管理会社がそのまま管理できるものではありません。不動産会社の社員が明日からホテルマンになれと言われても、困りますよね。また、運良く適任者を採用できたとしても、いつ辞められるかわからないので経営的に大きなリスクを抱えているわけです。

 

無人ホテルは、そういった人材不足の問題を解決しました。

 

 

(画像提供=VSbias)

 

 

また、これまで使われてこなかった土地・建物の活用という点でも注目いただくようになりました。普通のホテルでは、人件費などの固定費を回収するためにある程度の規模がないと採算が合いませんでした。

 

ですが、無人の場合、固定費が安価なため、これまで見向きもされなかった狭小地や旗竿地でも採算がとれるようになってきました。

 

 

―それは、オーナーや不動産会社から物件を借り上げて行っていますか。

 

業務委託を行うケースがほとんどですが、一部サブリースもしています。

いずれにせよ施設のオペレーション、例えば集客媒体の管理や、宿泊者とのコミュニケーション、クレーム対応、清掃員の派遣、宿泊料金の最適化など全てに当社が行うので、オーナー様の作業はほとんどありません。

 

『Commune』については、去年から事業を始めて、最近ではビジネスホテルよりも粗利率が高くなってきました。また、一部の物件では実質利回りが25%を超えることもあり、投資家様からの引き合いもかなり多くなってきました。

 

今後『Commune』は、オリンピックまでに現在の5倍程度に成長させたいと思っています。

 

 

―民泊新法以降も利益が出せているのは凄いですね。

 

競合が減ったからですね。でもこれはバブルのようなもので、やっぱり市場としては絶対平均化されてくるはずです。

 

今後、間違いなく物件供給数は増えてくると思います。一方で、やはり外国人がメインの市場になるなかでは、インバウンド旅行者は今後2030年まで増えていくと予想されています。それに合わせて市場は伸びていくと思います。その中で生き残るのは、データをものにした企業だと考えています。

 

 

「移動する不動産」とは…?

 

―今後の目標を教えてください。

 

今後の大きな動きとしては、不動産で解決できないオンデマンドな需用をテクノロジーで解決しようと考えています。

 

不動産の最大の欠点は、不動産が動かないということだと思っています。

 

 

―動かないことが課題?

 

例えば、投資対象として不動産を見た場合、法定耐用年数が30~50年もあります。当然、動かないことが前提になっています。しかし、我々がマーケット側のデータ分析をしてみると、30年から50年続くトレンドなんて、ほとんどないことがわかります。トレンドがあまり変化しない賃貸市場ですら、50年後にその地域がどうなっているかなんてわかりません。

 

不動産自体の課題として、ここをなんとかしなければいけないのではと感じました。

 

つまり、長期のトレンドだけではなく、短期のトレンドも不動産ビジネスに反映したいのです。音楽フェスが開催されるタイミングになると、その周辺の不動産に需要が急速に集中しているはずです。また、地震などの災害が起きた場合も、被災地周辺では住まいが足りなくなる。そういったごく短い期間で、生まれるオンデマンドな需要を、現状の不動産では対応できない。

 

 

―どうやって解決するのでしょうか。

 

移動する不動産」とでも呼べばよいのでしょうか。今、サービスを計画しています。

 

細かくは言えませんが、家や店舗などの空間自体を動かすことで、オンデマンドな需要をカバーできる状態を目指しています。サブスクリプションのように毎月の費用を払っておけば、フリーアドレスになるといったことも考えています。

 

これの第一段階、構想の一部分を年度内にでも発表しようと思っています。

不動産は動かない。だから良い、というか当然じゃないかと思われているはずですけれども、我々は、そこに対して対極にある発想をしてみたい。

 

我々は、「移動産」と呼んでいるのですが、動くものにしてしまおうと思っています。

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