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スマサポ・川口明信常務(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

―『スマサポ内覧システム』も含めて不動産テックサービスが普及していくことで、不動産管理業界はどのように変化するでしょうか。

まず事業者が淘汰されていくでしょう。

賃貸管理においては、管理業務の健全さによって評価をいただくということは変わりません。

だけど、業務の中でデジタルでまかなう部分がふえてくると、ログが残ります。内覧情報のログから客付け戦略の提案をしたり、他社に比べていかに素早い対応をしていたりするかが記録に残れば、どこがよい管理会社か一目瞭然です。対応できなければ淘汰される。

そういう健全なマーケットを作りたいですね。ちゃんとやっているところは評価されて、ちゃんとやっている業界になってほしい。そのために、これまで感覚値で出していたものを、可視化することがとても大事なことだと思います。

私は以前、PM系の管理会社にいました。管理の信用性というものをしっかりと伝えるには、データ化が非常に大切です。根拠を示さなければいけません。

不動産は住居ということ以外に、限りなく金融商品に近いものになってきています。そこの信用・信憑性というのはデータで可視化して、確かなものであることが重要だと思っています。また、時間と手間をかけずにそれを実現することが当社のサービスだと考えています。

―テクノロジーによって業界の隠れていた部分が見えてくると考えていますか。

「不動産業界は無駄が多い」と言われている一番の理由は何だと思いますか?

根幹にあるのは、無意味な「保全をしたがる」「リスクヘッジをしたがる」という商慣習だと思います。例えば、賃貸契約者の信用・審査という部分でリスクヘッジをします。そのためにどれほどの書類を集めているのか。そして、いざ事故が起こったときに、それらの書類は活用されているのか考えてみることは重要です。

私は、現場でずっと疑問を感じていました。使われない書類を回収するために、なんと無駄な時間をかけていたのか。現場の人は、その書類が本当に必要であるかも分からず「必要だから必要」「昔からこうだから」というだけで動いている。

そういうことの積み重ねが多くの無駄を生んでいます。今回は「内覧業務」に対してサービスを展開していますが、そのほかの業務にもサービスを展開していこうと考えています。


―業界を知っているからこそ分かる無駄があるのですね。

今後は、クレジットカードなど、キャッシュレスでの決済が進むことで、個人の与信なども書類提出や回収の作業なく確保することが出来るようになると思います。今、管理会社は賃料などお金の部分のリスクヘッジをかけていますが、そういった部分は個人の信用部分によって解消されます。つまり、管理会社は入居後の管理が重要になる。近隣住民へのトラブルや退去の条項などを綿密に取り交わすことが必要になってきます。

スマサポは、公益性が伴う事業を行っていると思っています。本来の目的を明確にしていくと、無駄なことがなくなります。その第一弾として、内覧業務の際のやり取りが問題だと考え『スマサポ内覧システム』を開始しました。

(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

―今後はどのようなサービスを展開していく予定ですか?

今後は管理会社と入居者の橋渡しができるようなサービスを提供していきたいと考えています。

直近でリリース予定なのが、入居者アプリとデジタルサイネージです。

入居者アプリは、入居中のお困りごとにアプリを介してAI対応やチャット機能を活用して対応するサービスです。また、「どこまでを管理会社が行い、どこからが入居者が行うべきことなのか」を明確に示すことができれば、管理会社にとって手間だった業務が無くなり、入居者にとても問題の早期解決につながります。

デジタルサイネージの目的は管理の張り紙の見た目と手間をスマート化すること。そして入居者アプリと連動し、災害時の情報を流したり、電車や交通の情報を出したりする機能を搭載予定です。

小規模の管理会社は、地元に密着して事業が安定していると思っています。しかし、オーナー様が代替わり期を迎えている現在では、2代目3代目のオーナー様の考え方がすごくドライで、今までとはギャップが生まれています。支払う手数料に見合った成果が上がらないと、管理をリプレイスされるリスクもあります。

不動産テックに限らず、ITを使いこなせない会社は取り残されていくでしょう。

まさに、管理会社の体質を変えるときが来ていると思います。

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