こんにちは!
不動産鑑定士の成田です。
年度末になり、桜の開花もいよいよ近づいてきましたね。
駆け込みの不動産鑑定や売買も多く、年度末を満喫!?しています。
明日は神戸、淡路島に日帰りで行ってきます。
そうそう、あと本日地価公示価格が公表されました。
住宅地もようやく全国平均で上昇(といってもわずかですが)となりました。
新聞などで詳細をチェックしてみてください。
さて、不動産投資に欠かせない知識である 不動産評価の基本第3弾です。
前回は積算価格って何か?についてみてきました。
↓はちょっと復習。
<積算価格(算式)>
積算価格=土地の再調達原価(※)+建物の再調達原価-減価修正
(※)土地の再調達原価は把握できるケースがかなり限られるので(既成市街地は除外される)、取引事例比較法を適用して求めた土地価格(比準価格)を実務的には採用
ここから今日の本題です。
では、積算価格は金融機関の担保評価や不動産投資においてどういう位置付けなのか?
また、どのように使われているか?
ということです。
これって、投資をして融資を受ける、というのはもちろん、売る場合にも欠かせない知識ですよ。
なぜなら売るってことは「買う人がいる」わけなので、その人が「買えるか?」を知ることが、自分が「売れるか?」を知ることになるわけです。
買ってもらえない物件は売れないですよね?
で、結論から言ってしまうと、
「昔はこの手法がメインであった」といいますか、「ほぼこれが全てだった」と言っても良いかと思います。
収益価格という収益性からみた価格などあまり考えず、土地値が上がればすべてよし、といったところがあったからです。
今でも自宅などの自用物件の場合は原価法が中心です(除くマンションなどの区分所有物件)。
また、金融機関によっては今でもこの原価法により算出された「積算価格」が融資決定に際して大きな意味を持ちます。
特に土地価格が重要です。
最後は土地価格、つまり土地神話がまだ残っているとも言えます。
別の機会に説明しますが、土地価格の概算は出しやすく(時価かどうかは別として、目安の価格という意味です)、金融機関としても担保評価しやすいというのも理由の一つだといえます。
都心の収益物件などは、
積算価格<収益価格(収益還元法により算出された価格)
となることが多く、時価=売買価格は収益価格で決定されるために、売買価格よりも積算価格が低くなる!といったことがよくおこります。
しかし、金融機関はいまだに「土地」が一番大事だと思っているので、土地価格が中心となる積算価格で担保評価をするところが多いです。
そうすると、売買価格に対して担保評価額が低くなる、つまり多く借りられないということにもなってくるわけです。
ご自身が売買を検討している物件は積算価格が高い物件か?
確認してみてください。