こんにちは。
不動産鑑定士の成田です。
気温がジェットコースターのように変動し、大変な2月ですね。
不動産業界は以前ほど、年末、年度末に偏らなくなってきており季節感がなくなってきていますが、それでも年度末の駆け込みは見られます。
私の関係でも売買、借り換えなど活発化しています。
この時期はどうしても年度末までに現金化したい方も出てきますし、金融機関も営業目標達成のため良い条件が出やすいこともあります。
実質的な主戦場はあと半月ぐらいでしょうか。
チャンスでもありますので、購入希望の方は気合を入れてみてください。
さて、前回スタートした「不動産投資(購入、売却)で知っておきたい不動産評価の基本」ですが、今回からは具体的な手法に入っていきたいと思います。
原価法、取引事例比較法、収益還元法の3手法のうち、まずは「原価法!」です。
原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格(積算価格といいます)を求める手法です。
再調達原価というのは、今同じ不動産を作るとした場合にかかる原価のことです。
したがって、原価法は平たく言うと、「原価はいくらで、そこから経年劣化などに伴ってこれぐらい減価されたから、今の価格はいくらだと決定する手法」です。
土地は原価が分かるものが造成地や埋立地などに限られています。
よって、なかなか適用できるものにお目にかかることはありません。
実務的には「取引事例比較法を適用して求めた土地価格(比準価格)」を使用することとなります。
建物は対象建物を今建設するといくらかかるかという「再調達原価」をまず決定し、それを経年等によって、減価して価格を求めます。
また、価格時点とは、原価法に限らず重要なポイントですが、評価額がいつ時点のものかということです。
今日の価格なのか、去年の価格なのか、はたまた来年の価格なのかによって、価格が違ってきます。
マーケットが変わるので、当然ですよね?
不動産も金融商品等と同様に価格は常に変動するものなのです。
そのため、評価する際にいつ時点の価格とするかは非常に重要です。
<積算価格(算式)>
積算価格=土地の再調達原価(※)+建物の再調達原価-減価修正
(※)土地の再調達原価は把握できるケースがかなり限られるので(既成市街地は除外される)、取引事例比較法を適用して求めた土地価格(比準価格)を実務的には採用
次回は、積算価格は評価の中でどういう位置付けか、どのように使われているかについて説明したいと思います。
融資を受ける際の参考になるかと思います。