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住宅宿泊事業の活用にあたっての注意点

簡易宿所営業よりも低コストで民泊を営むことができる住宅宿泊事業ですが、その活用にあたっては、(1)自治体の条例における住宅宿泊事業の実施の制限の有無と、(2)民泊とシェアハウスの併用運営方法の2点を十分検討するようにしましょう。

(1)自治体の条例における住宅宿泊事業の実施の制限

住宅宿泊事業法の施行に合わせ、多くの自治体では同事業を実施する地域及び期間を条例で制限する動きが広がっています。例えば、東京都では、大田区、新宿区、千代田区等の18区において、住宅宿泊事業の実施を制限する条例が成立しています(2018年5月21日現在)。平日の営業を認めない等、住宅宿泊事業の実施が厳しく制限される地域にシェアハウスが所在する場合には、当該制限を受けても住宅宿泊事業を実施する便益がコストを上回るかを慎重に検討する必要があります。

(2)民泊とシェアハウスの併用運営方法

住宅宿泊事業の実施には、年間180日の制限がかかります。住宅宿泊事業を営むシェアハウスにおいて、宿泊客を1人でも宿泊させると、この180日の日数にカウントされてしまいますので、可能な限り多くの宿泊者を泊めることのできる期間(例:夏休み)に集中して住宅宿泊事業を実施し、閑散期にはあえて民泊営業をしないといった運営上の工夫の検討も必要となります。

以上、全5回の連載にわたって、シェアハウスにおける民泊活用の可能性と留意点を、法律や技術の観点から解説しました。シェアハウスを民泊として活用するには、様々なハードルがあるのが現実ですが、この連載をきっかけとして、1人でも多くのオーナーの方々が、民泊によるシェアハウスの収支改善に成功することをお祈りしています。

 
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