非対面型「Fav Hotel Takayama」が新規オープンしました!
飛騨高山の旅館業(無人運営)申請のポイントは?
カピバラ好き行政書士 石井くるみさんが民泊を始めとした宿泊関連ビジネスの最新情報を紹介します。飛騨高山にオープンした話題の宿泊施設について紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)
岐阜県の飛騨高山で開業のお手伝いをさせて頂いたホテル「Fav Hotel Takayama(ファヴ・ホテル高山)」が10月26日にオープンしました。土地探しから建物の建築、開業準備など、2年越しの計画で進めてきたプロジェクトで、満を持して営業開始となり、とても嬉しいです。
飛騨高山の街並み 画像=写真AC
みなさまは飛騨高山へ旅をしたことはありますか?飛騨高山は温泉や史跡、そして何と言っても世界遺産登録されている合掌造り集落が連なる白川郷が有名で、古くから人気が高い観光名所です。筆者が通っていた小学校は、修学旅行先が飛騨高山という少し珍しい学校であったのですが(一般的に関東の小学校の修学旅行と言えば、日光か京都でした)、紅葉は美しく、草鞋づくり体験が楽しく、五平餅や朴葉味噌、お蕎麦が美味しい、お守りの「さるぼぼ」がキュートで、地元の青果や名産品が並ぶ朝市が楽しい、と非常に素敵な思い出がたくさんできました。
Fav Hotel Takayama(ファヴ・ホテル高山)は、高山駅から徒歩8分の好立地に、この秋オープンしたばかりの新築ホテルです。地上5階建で、部屋はゆったり広めの約30㎡(定員4名)と35㎡(定員6名)のお部屋が39室あります。
中長期滞在にも適したマンションタイプの造りで、すべての客室にキッチン(冷蔵庫、コンロ、電子レンジ、調理器具)が備わっています。また、各客室に独立した専用バスルーム、薄型テレビもあり、インターネット環境も(無料Wi-fi)も整っています。
1階のフロントには、ミニBarが併設されており、飛騨高山の地元の日本酒とおつまみを楽しめます。
ここから先は、旅館業の申請にまつわる目線を織り交ぜつつ、ホテルのご紹介いたします。
このホテルの大きな特長は、「無人運営が可能なこと」です。もちろん、実際はオペレーション上の理由から、施設内にはスタッフや清掃員が滞在していることと思います。しかし、申請上は施設内にスタッフが無人でもホテルとして運営ができる体制を整えており、保健所の許可を得ています。
小さな民家を利用した小規模施設は別にして、この規模の新築ホテルで無人運営が可能な体制を整えている例は多くないと思われます。
まず、宿泊者の出入り状況の確認については、宿泊施設玄関出入口にビデオカメラ設置し、その映像を確認するモニター設備を、施設内のスタッフルーム又は従業員が常時待機する運営会社事務所(東京)が確認し出入り状況確認を行います。宿泊者名簿の記載については、ホテル1階ロビーに設置する自動精算機により、コールセンター(東京)にて本人であることを確認のうえ、宿泊者名簿に必要事項を記載(入力)することで実施します。本人確認完了後に自動精算機より宿泊者ごとに異なる客室の開錠番号が発券されるので、鍵の引き渡しも適正に行うことができます。緊急時の客から管理者への連絡は、1階ロビーカウンターに設置した電話から行うことができます。電話は一次対応として運営会社につながり、もし、スタッフ不在時に現場への駆付けが必要となる場合は、施設近隣に常駐する従業員が10分以内に駆けつける体制を整えています。
今回は旅館業の申請(玄関帳場の代替措置を講じる)に加え、飲食店の営業許可申請も合わせて行いました。
とはいえ、窓口こそ違うものの、飲食店営業と旅館業は同じ保健所が管轄するので、保健所内部で構造や運用体制について協議してもらえますし、施設の立入検査なども同時に行うなど、スムーズに手続きを進めることができました。
今まで、ホテル=「インバウンド」がターゲットというイメージがありましたが、飛騨高山は日本の国内旅行先としてもぴったりのエリアです。この秋は色づく紅葉を楽しみながら、まったり歴史と伝統文化に浸かる旅はいかがでしょうか?皆様のお越しをお待ちしております。