毎週月曜配信「石井くるみの みんぱく!最前線」
民泊の営業許可申請や運用管理に詳しい、行政書士の石井くるみさんが、毎週民泊の最新情報をお届けします。

6月に成立した「住宅宿泊事業法(民泊新法)」を数回に分けて解説していただきます。
今回は、「住宅宿泊事業者」ついての解説です(リビンマガジンBiz編集部)。

民泊新法を徹底解説①「なぜ、必要なの?」
民泊新法の徹底解説②「民泊新法のルール」


(画像=写真AC)

住宅の一部やマンションの空き室を宿泊施設として提供する「民泊サービス」の健全な普及を図るため、事業を実施する際のルールを定めた「住宅宿泊事業法」(通称:民泊新法)。
今回は、この法律の主役である「住宅宿泊事業者」(通称「民泊ホスト」)について詳しく見ていきましょう。

生徒:「住宅宿泊事業者」ってどういう人?

くるみ先生:名前のとおり「住宅宿泊事業者」とは、都道府県知事等に届出を行って、年間180日を超えない範囲で「住宅」に人を宿泊させて宿泊料を受け取る事業を営む者のことを指します。

生徒:180日を超えたらどうなるの?

くるみ先生:「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」は旅館業にあたるので、年間の上限を超えた場合は、旅館業の営業許可の交付を受けるべき「旅館業者」となります。

生徒:本当なら「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」をするには、旅館業の営業許可を受けなくてはいけない。でも、180日を超えない範囲なら特別に「住宅宿泊事業法」にもとづく届出をするだけでOKにしたということだね。

くるみ先生:その通りです。旅館業の営業許可を取得するのは、一般の人にはかなりハードルが高いものでした。近年の訪日外国人旅行者の急増でホテルなどが不足した背景もあって、余っている住宅を活用しようという趣旨からこの法律が生まれました。

生徒:住宅宿泊事業者は、具体的に何をするの?

くるみ先生:法律では住宅宿泊事業者(民泊ホスト)に対して、「住宅宿泊事業の適正な遂行のための措置」として宿泊者の衛生の確保の措置や宿泊者名簿の備付け、宿泊者に対する騒音防止のために配慮すべき事項等の説明義務、適切な苦情対応、都道府県知事に対する定期報告などの責務を定めています。

生徒:法律用語は難しいけれど、ようするに「宿泊者が気持ちよく滞在できるように部屋はきれいに掃除する」「宿泊した人の記録」「夜は静かに過ごすなどの近隣への配慮の呼びかけ」など、ごく当たり前に必要なサービス内容ばかりだね。

くるみ先生:宿泊者・近隣住民のために、最低限これだけは守ってほしいという事柄だと思います。

次回では、ホストが民泊施設を留守にする際に、ホストに代わって必要な業務を提供する「住宅宿泊管理業者」について見ていきましょう。

 
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