築地から豊洲に場外市場を移設するニュースを見ていると、不動産売却の時にも「万が一、土壌汚染の結果が出たらどうしよう」と不安になることもあります。売買契約はそのまま継続することができるのでしょうか。また、売主には何か責任があるのでしょうか。


1、土壌汚染の結果が出るのは売買契約のあと?


買い手が見つかり、不動産売買契約を結びます。一般的にはそのあとに土壌調査が行われます。最近は、地盤に杭を入れて採取した土壌を調査する「ボーリング調査」を行うことが多いです。それまで売買契約上は何もないことを前提にする一方、土壌調査で注視すべき結果が出た場合は、契約を解除する「解除条項」を結ぶ場合も多いです。いずれにしても、土壌には何もないことが前提ですが、もし何かがある場合、できるだけ「早く」結果を知ることが望ましいところ。


なお、売主が宅建業者(多くの場合は不動産業者)ではない場合、通常売主に課せられる「瑕疵担保責任(売買時に売主が有する責任)」があるものの、売買契約時の特約にて「無効」とすることが可能です。




2、ボーリング調査の「速報」に注目


そこで、ボーリング調査の「速報」に注目です。ボーリング業者は本調査の結果が出る前に、概ねどのような結果がでそうか(土壌に問題があるかなしか)を先に知ることができます。これを受けて、売買契約を予定通りに履行することができるか、手を打たなければならないのか方向性を定めることができます。


3、土壌調査をおざなりにすると


土壌調査をおざなりにすると、どのようなリスクがあるのでしょうか。新築の場合は、土壌問題が解決しないことには原則として建物工事を継続することができません。また、中古物件の売買の場合は、既に建物が建設されているにも関わらず、契約が停止することがあります。楽観的な観測をせず、極めて重要なプロセスとして判断するようにしましょう。

土壌調査に関しては、売買の仲介を受け持つ不動産会社の職員や、建設会社の担当が専門知識を有しています。売買契約をするときは、気軽に相談するようにしましょう。

 
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