不動産売却のときに物件の値段を決めるのは土地の値段、そして建物の値段です。ただし日本の不動産では「土地」に重きがおかれ、建物は付帯的な価値を持っています。
たとえば不動産物件を担保に老後資金を借りる「リバースモーゲージ」の場合、担保評価されるのは主に土地の部分です。土地と建物の所有者が異なる借地や、区分所有している建物を対象として同時に土地の売却ができない(解体できない)マンションなどの場合は、リバースモーゲージの対象外となることもあります。
不動産売却の場面ではなくても、購入のときに5,000万円の不動産物件があるとして、土地が3,500万円、建物が1,500万円という「差」を記した不動産広告を見たこともあるでしょう。
1、土地の状況はリスクになる
大地震の脅威が迫っている昨今、土地の状況はリスクとなります。とはいっても土中に何か埋まっている・・というような大阪の流行りの話ではなく、土地の「地盤」の話です。
地震などで建物が倒壊するとき、その原因となるのは建物の耐久性のみではありません。その土地がどれだけの強度に耐えて、どのような土壌で構成されているのか。それによって震度が1,2軽い場合も、倒壊の可能性が増えるといわれています。
これら土地は、これまで何に使われてきたかにもよりますが、大きな理由は「もともと、どのような場所だったか」ということ。台地や山を切り崩した土地は地盤の固いことが多いのですが、扇状地や水気の多い土地などは地盤の不安のあることが多いです。
2011年の東日本大震災のとき、千葉県西部の埋立地が液状化し、大きな被害を受けたことは記憶に新しいところです。
2、「土壌」の強い場所が見直されている
最近は「土壌」の強い場所が見直されています。不動産の売買においても、土地の状況が担保できると売却値が高値で維持できるケースや、ハザードマップ(行政機関が発行している地震からの危険性を示す資料)で問題がないとお墨付きがあると売買値が高めになるというケースも。
今後、近いうちに再度大きな地震が到来するといわれています。同じ災害でも、土壌が強いところの被害が少なくなれば、それだけ不動産売買において優遇されることになるでしょう。時代趨勢に合わせたニーズも、しっかりと把握したいところです。