「住みたい街ランキング」として不動産の人気を誇る「吉祥寺」。都心からアクセスが便利な一方、大きな公園(井の頭公園)もあり、まさに仕事面も生活面も高い評価の街として有名です。ただ、最新のデータに「異変」がありました。MAJOR7が発表した最新データで、吉祥寺の連続首位を封じ、恵比寿が1位の座を戴冠しました


参照:MAJOR7 住んでみたい街アンケート https://www.major7.net/contents/trendlabo/research/vol023/


1、不動産売却の「人気」は続くのか


言わずもがな、このようなデータは不動産売却の「相場価格」を決める際に大きな参考になります。ただ、単年度ごとの人気ランキングのみを参考にするものではないため、たとえば吉祥寺(周辺含む)に不動産物件を所有しており、近々売却を検討されている場合も、焦って売却計画を早めることはなくてもよいでしょう。


ただ、数年のスパンで見ると視点は変わります。次回以降のランキングも今回のような価格変動が定着すると、不動産売却値にも次第に影響が現れることでしょう




2、街をめぐる評価は「不変」ではない


これは、街をめぐる評価は「不変」ではないことを意味しています。先日博物館で「東京の街並みの発展」を見ましたが、以前は田園地帯だった場所が鉄道網の伸長や開発によって街並みになっていくなかで、様々な「人気の街」が誕生しました。今回のアンケートが仮に何十年も前から始まっていたら、吉祥寺よりも前に不動の1位を獲得して、現在は「昔は1位だった」というポジションの街がいくつも存在したことでしょう。


現在、街は伸長の段階を経て、「再開発」などによる評価の見直しの段階を迎えています。たとえば下町にはまだ幅員(道路の幅)が狭く、来たる関東圏への大地震を踏まえて根本的な街の輪郭を見直す動きが必要なところも多い。このようにして生まれた新しい街には、時代のニーズに即して新たに「人気の街」となるところも増えてくるでしょう。

たとえば私たちの子世代には「東京で人気のエリア」といえばどのような名前が挙がってくるのか。もしかすると、現段階では想像もつかない街かもしれません。そして不動産売却とは、時に30年も40年も先を見る慧眼の作業でもあります。子世代が不動産売却をするときに、「親世代、この価格高騰を見据えて購入したのか」と言われるのも、とても誇り高いものではないでしょうか。

 
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