土地や建物などの不動産を売ったり、交換したり、収用を受けた場合には、その譲渡による所得(譲渡益)に対し、譲渡所得として所得税と住民税がかかります。それについては多くの方はご存じのはずです。しかし、その土地の取得原因によって譲渡税が異なることについては見過ごされがちであり、意外な盲点となっています。

 不動産の取得については4つのケースがあります。まずは財産分与によるもの。売買(譲渡)によるもの。相続または遺贈、贈与によるもの。そして交換によるものです。これら4つのケースで何が異なるのかというと、不動産の取得日費と取得日の基準が異なるのです。税額の計算のもととなる所得金額は、譲渡価格(収入金額)ー(取得費+譲渡費用)から特例を受けた場合の特別控除を差し引きすることで求めます。そのため、取得費や取得日の判定が異なれば、税額も変わってくることになるのです。 例えば、財産分与では取得費はその時の時価で計算します。しかし、相続や贈与では被相続人もしくは贈与者の取得費を引き継ぐことになります。売買では購入金額となります。不動産の値段はその時々で変化します。つまり、同じ土地であっても、財産分与により取得した場合、相続により取得した場合とでは所得費が異なるのです。父親がバブル期の高値で購入した土地を財産分与で取得すれば、その土地を取得した日の時価が取得費となります。その一方で相続により取得したなら父親が高値で取得したその価格を引き継ぐことになるのです。もし、その土地が大きく値下がりしているのであれば、相続による取得した方が譲渡税は少なくなるのです。

 土地の取得原因がよくわからない。そんな時にはどのように判断すればよいのでしょうか。登記簿には、売買、贈与、遺贈、交換などといった登記原因が記載されています。また、固定資産税評価証明書にも異動事由が記載されています。これらを参考に、取得原因を確認することで、その所有者がどのような経緯でその不動産を取得したのかを知ることが出来ます。そして、この情報は、将来その不動産を売却する場合の譲渡税の取得費や取得日の判断材料となる貴重な情報なのです。

 

 
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