住宅を高く売りたい場合にはコツがあります。不動産仲介業の仕組やどんな業者だと安心して任せられるのか、業者の言いなりにならずに自分主導で、そして高値で売却するにはどうすればいいかを学びましょう。

シリーズ目次

1回 不動産仲介の仕組(当記事)

2回 不動産業者に買い取ってもらうことのメリット・デメリット

3回 不動産仲介業者の選び方

4回 不動産仲介の契約の仕方

5回 査定価格の見方・シリーズまとめ

1.仲介手数料の仕組

住宅を売却する場合には不動産業者に仲介をしてもらい買い手を探してもらう方法と不動産業者に買い取ってもらう方法があります。もちろん自分で買い手を探してもOKですが、クレーム対応や契約書に不備があった場合など売却後の面倒事に対処する必要があるので、あまりお勧めはしません。

不動産業者に仲介してもらう場合、仲介手数料が発生します。この仲介手数料の仕組を知ることが、住宅を高く売るには重要です。

  仲介手数料には「片手」と「両手」があります。「片手」とは不動産業者が売主または

買主の一方からのみ仲立ちを依頼されて仲介手数料を得ることをいい、「両手」とは双方から仲介手数料を得ることを言います。

不動産業者は1粒で2度おいしい「両手」の取引を行いたい、そう思って売却物件を探している。それを頭に入れて住宅売却を行ってください。

2.高く売らなくても高い手数料は得られる

不動産仲介手数料の報酬の上限は次の表のとおりです。

売買金額(税込み)

仲介手数料の金額(税込み)

200万円以下の場合

(売却金額×5%)×1.08

400万円以下の場合

(売却金額×4%+2万円)×1.08

400万円超の場合

(売却金額×3%+6万円)×1.08

ほとんどの不動産業者がこの表の上限で仲介手数料を得ています。

不動産業者は同じ2,000万円の住宅を仲介するとしても「片手」では税抜きで66万円、「両手」では132万円の仲介手数料を得ることになります。

では2,000万円の住宅を「片手」で仲介する場合と、1,500万円の住宅を「両手」で仲介する場合を比べてみましょう。2,000万円の「片手」では税抜き66万円でしたね。1,500万円の「両手」は102万円です。

つまり、不動産業者は2,000万円の売出価格で広告を出して、なかなか売れない物件よりも1,500万円で売出して、広告に載せる前に既存の購入客にお知らせし「両手」で売れるほうが多く仲介手数料を得られるのです。

3.まとめ

今回のまとめとしては、住宅売却の仲介手数料は高く売れれば売れるほど高い仲介手数料になるため、高い金額で売れれば売主、不動産業者ともに得をすると思われがちです。しかし、実際には不動産業者はお手頃価格で売出し、「両手」の取引ができたほうが多くの仲介手数料を得られるということを知っておきましょうということです。

 
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