毎週金曜日配信、「人生の上がり3ホール、賢いシニアのお金の話」
お金・資産運用のプロ 中村伸一さんが「ヤングシニア」向けの資産運用や、老後資金に関してのノウハウを、ゴルフ要素を交えながら伝授します。

今回は、ヤングシニアの老後生活の選択肢を増やす「ロングステイ」についてのお話です。(スマイスターMagaZine編集部)。

(写真=写真AC)

第0打:コースマネージメント じっくりリタイアメント後の人生を考える

さていよいよ4番ホールに向かってきました。少し暑さを感じたAさんは、キンキンに冷やしたスポーツドリンクを飲みながら、このホールの戦略を考えます。

いきなりですが、皆さん「ロングステイ」という言葉、お聞きになったことがありますか?
会社をリタイアした方々が、主にご夫婦で海外に長期間移り住むことを指します。そのミソは、決して移住ではないこと。1年のうちの数か月、または連続して数年、日本から出て海外で過ごすライフスタイルを言います。海外でのリビングコストが安い国に行って、毎月の年金額の中で暮らすことができる、ある意味究極のコストセービングのライフスタイルといえるでしょう。その主なロングステイ先はマレーシアや、タイ、フィリピン、ベトナム、インドネシアといった東南アジアです。
一般財団法人ロングステイ財団が2016年10月に発表した最新のロングステイ調査統計によると、2015年の海外ロングステイヤーの数は、前年比微増の約157万人。海外旅行者数が4.1%の減少と比較すると、根強い人気がありそうです。
「言葉の壁があるから、我々は無理」「年齢とともに身体のいろいろなところにガタが来ているから、医療機関がしっかりしていないと」などと、いろいろな不安が立ちはだかるかもしれません。しかし今は情報を上手に集めながら、快適なロングステイをエンジョイしている方々も多くいらっしゃいます。

418ヤード、250ヤード付近で右ドックレッグのパー4のミドルホールです。
ドライバーをキャディバックから抜いたAさん、実は今日からドライバーをキャロウェイに変えています。海外製に変えたことで、どう変わるでしょうか。

第1打:海外ロングステイにかかるリビングコストの目安は?

風を計算して、若干フェアウェイ左を向いて放った一打は、ナイスショット。目標より少し左のフェアウェイ240ヤード地点に落ちました。

「海外ロングステイの費用ってどのくらいかかるの?」という疑問を持つ方は多いと思います。

まず、日本において、ヤングシニアが必要な月額支出を見てみましょう。総務省統計局が発表した、「家計調査報告(家計収支編)―平成28年(2016年)平均速報結果の概要―」によると、2人以上の世帯における月額支出は
・40~49歳の世帯は315,661円
・50~59歳の世帯は342,952円
・60~69歳の世帯は277,283円
・70歳以上の世帯は238,650円
となっています。
では、2016年の人気ナンバーワンだったマレーシアではいくらかかるのでしょうか(ロングステイ財団調べ)。
マレーシア政府観光局のHPによると、夫婦2人で月10~12万円程度。内訳は食費や光熱費、交通費、レジャー費などです。これに加えて、アパートの賃貸費用がかかります。その費用は、地域によって大きく異なりますが、クアラルンプールの中心地ミッドバレーの場合、月額56,000円~から借りることができるようです。マレーシアの物価は日本の3分の1程度だといわれています。感覚的には、日本の約半分くらいのリビングコストではないでしょうか。もちろん、日本の食材や日本食中心の生活や、さら良いところに住む場合は、日本より割高になる可能性もあります。

ロングステイは、「100年安心」といわれた日本の公的年金だけに頼ることなく、自助努力が求められる時代背景に沿った考え方と考えることもできます。

第2打:ロングステイをする目的は?

早速、ロングステイ先でのゴルフ三昧に夢をはせるAさん。第2打目、残り178ヤードを5番ユーティリティーで狙いました。

ヤングシニア世代が、海外ロングステイを考えるきっかけは非常にさまざまです。ある方は、「日本の花粉症がひどいので、それを何とかしたい」という理由で、春の期間だけ、海外で過ごす方もいらっしゃいます。
近年のネット社会のおかげで、海外で暮らすバリアが以前と比べ格段に低くなっています。またLCC(格安航空会社)の出現により、現地までの交通費が格段に安くなった点も見逃せません。
では、以下、ロングステイの形態をいくつかに分類した上で、その効用を挙げていきます。

・自己実現型
自分が持っている夢や目標を、海外で実現するためのロングステイです。例えば、趣味のゴルフやテニスを、格安でそして頻度を上げてプレーすることで上達を早めたり、語学の習得を目的とします。語学は、英語だけでなく、マレー語、タイ語、タガログ語なども対象です。
・セカンドライフ型のロングステイ
コンドミニアムや、マンションを賃貸または所有し、そこを生活の基盤とします。第二の人生としてロングステイを選択したスタイルです。東南アジアに行かれる方々は、一年中短パンとTシャツで過ごせることが楽だと言っています。

・家族と滞在型
最近は、お子様が小さなときからインターナショナルスクールに入学させる目的のロングステイや、介護を必要とする人が、現地の安い人件費で介護サービスを受けるなど、その目的が多様化しています。軽い介護を必要としているご両親をロングステイに連れ出すケースも少しずつ増えているようです。

フェースはボールを芯でとらえ、見事に2オン。
キャディさんも、打ったAさんも驚いています。

(画像=Pixabay)

第3打:ヤングシニア世代の老後生活の可能性を広げるロングステイ

今回は少し目先を変えて、ロングステイの目的をあげてみました。これらは一例であり、ロングステイにかける想いは、皆さんそれぞれ違うものをお持ちです。ロングステイを成功させるコツは、ご自分が現地で生活をしている姿をより具体的にしていくことだと思います。折角ロングステイをはじめても、地元のコミュニティに馴染めず、現地の日本人会のメンバーとばかり過ごしているというケースもあるようです。自ら飛び込んでいく気持ちも必要かもしれません。
話は変わりますが、投資を成功させる最大のコツは、分散投資にあります。海外で生活するために、実際の所有する通貨も、円だけでなく、それぞれの国の通貨を持つこととなります。これこそ通貨の分散です。ヤングシニアのライフスタイルも日本だけでなく海外にも分散することで、新たな自分に気づくかもしれません。

さあ、バーディパットを狙ったAさん、5メートルの距離がありますが、カップの右側から吸い込まれ、見事バーディを決めました。

 
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