全国でも問題となっていることが多い空き家の放置ですが、とある地域では地元の学生たちが地元の企業や住民たちと協力し、この問題に取り組んでいるところもあるのです。今回はそんな地域の中から、横浜市立大学の学生が行っている取り組みを紹介しましょう。



横浜市立大学の学生が中心の「ヨコイチ空き家利用プロジェクト」

横浜市立大学は、神奈川県の横浜市にある公立大学です。横浜というと非常に都会的なイメージがあるかと思いますが、実はこの大学のある横浜市金沢区では以前から人口の減少が進んでおり、空き家が目立つようになっていました。

そこで京急不動産が金沢区役所と京急電鉄、横浜市立大学へと声をかけ、空き家を有効活用すべく提携を結び、学生たちが空き家を調査し、これを復活させるためのプランを考案。そして京急グループがそのプランを資金面からサポートしたり、時にはその空き家の所有者と交渉したりします。金沢区役所はその両者のサポートおよび地域住民との調整などが主な業務となっています。

このプロジェクトは「ヨコイチ空き家利用プロジェクト」と名付けられ、金沢区の空き家問題を解決すべくスタートを切りました。

学生たちが主導になって行われるプロジェクト

この「ヨコイチ空き家利用プロジェクト」は2016年の春にスタートしました。もともと横浜市立大学の国際総合科学部では、3年生の必修科目として「街づくり実習」というものが導入されています。そして、その一環として様々な空き家問題に対する取り組みを行ってきました。

このプロジェクトでも、まず学生たちが空き家再生プランの考案や空き家をリサーチすることから始まります。実際に7月には、横浜市立大学の学生たちが京急電鉄や金沢区役所の関係者が出席する中、再生プランのプレゼンテーションを行いました。学生たちはいくつかの斑に分かれ、それぞれで空き家の調査を行ったうえで空き家再生プランを発表。そして最終的には京急電鉄の関係者によって、最も評価されたプランが採用となったのです。

学生×留学生×地元住民

ちなみにこの時に選ばれたのが、「留学生たちと共に入居するシェアハウス」というものでした。普段は日本人学生と外国人留学生たちが2階の居住スペースに住み、1階をフリースペースとして開放するというものです。そしてそのフリースペースでは日本の文化に触れることができるようなイベントを開催していきます。

もともと横浜市立大学は外国語教育に力を入れている大学ですし、学生と外国人留学生がシェアハウスをすれば、学生たちの英語力・留学生の日本語力も自然と上がっていくことでしょう。そのうえフリースペースでこのようなイベントを開催すれば、地元住民との交流のみならず、外国人留学生たちが身近なところで日本の文化に触れることもできるなど、非常に多くの恩恵を受けることができるのです。そして京急電鉄はこのプランを本格的に事業化することを考えており、2017年度の新入生が入居できるようプランを進めています。

 
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