「移住」と聞くと、どこか遠くの田舎に引っ越すというイメージが強いと思いますが、「プチ移住」は近場に移動すること。医療や買い物はこれまで同様の生活を維持しつつ、生活費だけを下げることが狙いです。

たとえば、お子さんが独立すると家が広く感じられることでしょう。もちろん、思い出深い家にそのまま住み続けるという考え方もありますが、広い分、固定資産税や都市計画税の負担も重くなりがちです。住まいの税金は、家という資産に毎年かかってくるものです。一生を通じて払う金額は想像よりも大きな負担となってしまうかもしれません。

固定資産税の税率は標準で1.4%。お住みの自治体によって異なり、税率は1.4%よりも高い場合も、低い場合もあります。新築の場合は一定期間、割引してくれたり、一律に計算するわけではありません。

そこで、少しでも家の価値が高いうちに売ってしい、新しいところに移ろうと考える人たちが増えてきました。以前と違って、家そのものに価値を見出すのではなく、夫婦二人の心地よい生活を優先する人が多くなってきた結果だといえます。

リタイアする時期になると早起きが苦でなくなったり、通勤する必要がなくなったりします。そんなとき少し郊外に移住して、若干、住まいをダウンサイジングしてみるのが「プチ移住」です。

税金は住まいの価値に対して計算されますから、家が小さくなればその分税金の負担も軽くなるでしょう。郊外に移ると土地の価格も下がることが多いので、一石二鳥というところでしょうか。

たとえ、リタイア前であっても電車の始発駅に移住すると、ラクラク座って通勤することも可能です。特に東京の場合、多くの私鉄や地下鉄が相互に乗り入れを行っていますから、乗り換えなしに目的地に到着することも夢ではありませんね。

次に移住先の住まいを、「購入する」するのか、「賃貸に移る」のかを考えてみましょう。

資金的に余裕があれば、購入するのも選択肢の一つ。2軒目の家は1軒目に購入した経験を踏まえて使い勝手が向上するケースが多いようですね。とはいっても、注意することはたくさんあります。たとえば、マンションを購入する場合は、管理費と修繕積立金が発生します。車をお持ちなら駐車場代も別に負担することから、安いアパート程度の出費が毎月発生することになります。さらに、一生涯自宅で過ごせるとは限りません。

一方、賃貸の場合は状況に応じて臨機応変に住まいを変えることができるというメリットがありますが、一生涯にわたって家賃を支払いが発生します。

購入と賃貸のかかる費用はそれほど大きな違いありません。

たとえば、7万円の家賃を30年間支払うと、2520万円。引っ越し代や更新料などを入れるともう少し負担は重くなります。購入した場合も、同じくらいかかりそうですね。でも、購入した人はリフォーム費用なども掛かりますし、税金もかかります。賃貸の場合は、古くなったら引っ越せばよいのです。

30年間の家賃

7万円×12ヵ月×30年間=2,540

7万円×12.5カ月×30年=2,625万円(2年に11ヵ月分お更新料を含む)

将来どのように暮らしていくのかは、人それぞれ。新しい生活を手に入れるためには、古い生活を手放す必要も出てくるかもしれません。まずはご夫婦でよく話し合って、いろいろなケースを想定してみましょう。

 
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