耐震性など家の安全性に対する関心は高い
住宅診断(ホームインスペクション)は、専門家の手による調査で、家の見えない安全面に関する調査を行うことを指します。2011年の東日本大震災、そして2016年の熊本の大地震など、日本では地震の被害が相次ぎ、家の耐震性など安全に対する消費者の関心は非常に高まっているといえるでしょう。特に中古住宅の場合は、建築から15年、20年経っているものも珍しくありませんから、その安全性に対し疑問視を投げかける人も当然出てきます。地震があったらどのくらいの震度まで耐えられるのか、見えない部分で腐食はおきてないか、屋根や外壁の塗装はしなくてもいいのか、など考えれば考えるほど、安全面で不安になってしまう人もいるほどです。自分が家を売る時になったら購入希望者から、そのような面についての質問が来ることは覚悟しておきましょう。
住宅診断を拒否すると購入意欲は大幅に低下
また内覧を行い、家を気に入ってくれた後に「住宅診断を行っても良いですか?」と不動産屋経由で要望が来ることも十分に考えられます。ここで悪い結果が出れば家を買ってもらえなくなるので、売主としては手間もかかるし、費用が先方持ちだとしても断りたくなるかもしれません。しかしもし断ってしまったら、購入意欲は大幅に低下し、まず買ってもらえなくなってしまうでしょう。また万が一、自分も知らない瑕疵があった時には、売却後に買主との訴訟問題が発生することも考えられます。
売る側・買う側もお互いに安心するために
売る側がまず安心して売るために、自分で住宅診断を行い、安全であることを証明してから売れば、売ったあとのことを心配する必要もなくなります。もし何からの問題点があれば、それを隠して売ったとしても必ずバレてトラブルになります。そうなるよりも、自分でリフォームや修理をして、売りに出せるようにしておいたほうが良いです。住宅診断をしておけば瑕疵担保責任を負わずに済むこともあるので、できるだけ住宅診断は行っておいたほうが良いでしょう。