遠くない将来、不動産テックによって不動産ビジネスは劇的に変化すると言われている。これまでの商慣習や仕組みが変わり、無数の新ビジネスが生まれるかもしれない。無限の可能性にかけ、旧来の市場を打破しようと奮闘するベンチャー企業経営者の言葉には、挑戦するものを応援する熱がある。本誌が行った過去のインタビュー記事から、あなたの心に火をつける、「熱言」を紹介する。(リビンマガジンBiz編集部)

「取れるところから取る」という姿勢が強かった。

 そういった商慣習では、貸す側・借りる側に負担が増えます

ショウタイム24・市川達也社長

撮影=リビンマガジンBiz編集部

賃貸物件の検索から内覧、申込み、契約、重要事項説明までをワンストップで行うポータルサイト「LEASE24(リースニジュウヨン)」を運営するショウタイム24

このポータルサイトに掲載するのは不動産仲介会社ではなく、物件オーナーや管理会社だ。物件元付けがユーザーと直接繋がることができるサービスを標榜している。

目玉となるのはオンラインで完結できるサービス設計だ。24時間無人で物件内覧が可能で、申込みや契約もオンラインなのだ。

ユーザーは、個人情報や顔写真付きの身分証を登録。物件を検索し、気になる物件を見つけたら、仲介会社ではなく、いきなり「内見予約」に進む。

「24時間希望の日時で内見を予約し、内見当日はスマホで「LEASE24」のマイページから、スマートキーで解錠して、不動産会社不在のまま内見をします。UME社と提携していて、「LINKEY」というスマートキーを使っています。部屋にはカメラを設置しており、ライブで映像を確認できるほか、ドアが開いたときに自動で30秒間録画します。そこで、登録されたユーザーの顔写真と映像の情報から顔認証も自動で行い、無人内覧のトラブルを防止しています」(市川社長)

生活のなかでも、住まいは基盤となるものです。

いまの住まいに満足できていない人が自分と同じようにたくさんいるのであれば、その課題を解決していきたいと考えました。

smooth・小泉拓社長

撮影=リビンマガジンBiz編集部

「スムーズ」は、賃貸契約の際に必要な敷金・礼金・初月家賃・仲介手数料といった初期費用を、無利子・無手数料で分割払いできるようにする消費者向けのサービスだ。

ユーザーが「スムーズ」に登録すれば、提携している不動産賃貸仲介会社様の店舗へ来店、家探しをする。このまま成約すれば、仲介事業者は成約金額に応じて紹介料を払う。

ユーザーは敷金・礼金・初月家賃・仲介手数料をsmoothへ分割で支払う。

「特に我々のような年代にとって、家賃は支出の中でも大きな比重を占めるものです。(中略)生涯の転職回数が増加傾向にあり、生活の多様性が上がっていることを考えたとき、1カ所に住み続けるだけではなく、その時々のライフステージに応じていろんな家に住みやすくなっていった方が良いと思っています。フットワークの軽い賃貸の方が、需要が高まっていくかもしれません。」(小泉社長)
小泉社長は消費者目線で見たとき、自分にあった仲介会社様を見つけるのが難しいという。
「物件提案の質などを消費者が見極めるのは難しく、選ぶ際の決め手が仲介手数料の多寡だけとなってしまうことも多いと思います。」
徹底した消費者目線でのサービス開発こそが、マーケットを広げる近道だという。

不動産業界は、自分だけが効率化しても、周りが協力してくれなければ意味がありません。そのため、皆にメリットがあるものを作ろうと思いました。

トリビュート・田中稔眞社長

(左)武田真治さん・(右)田中稔眞社長 撮影=リビンマガジンBiz編集部

同社の「TRG(トラジ)」は、不動産営業の業務支援アプリだ。

主要機能は4つ。

「1つ目は、不動産の営業担当者を検索できる機能とマッチングする機能です。自身が繋がりたいと思う得意分野やニーズを持っている営業担当者を検索して、マッチングすることができます。

2つ目は、チャット機能です。繋がった営業担当者との1対1のチャットや、グループ機能を使って、仕入担当と売り担当なども参加するグループチャットが可能です。また、物件ごとにチャットを管理することができます。

3つ目は、物件情報の自動マッチング機能です。これは、顧客が希望している物件の情報を登録することで、「TRG」に記録されている物件情報のなかから自動で条件に合った物件が紹介されるというものです。

4つ目は、物件資料の自動生成機能です。これは、AI-OCR(AIを取り入れた光学的文字認識)技術を使ったもので、紙の書類を自動でデータ化することができます。」

フルインタビューはこちら

 
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