遠くない将来、不動産テックによって不動産ビジネスは劇的に変化すると言われている。これまでの商慣習や仕組みが変わり、無数の新ビジネスが生まれるかもしれない。

今回は、賃貸大手AMBITIONとRPAテクノロジーズの合弁会社で、RPA技術を活用した業務効率サービスを提供するRe-tech RaaS(リテックラース:東京・渋谷区)・田子大輔社長に話を聞いた。(リビンマガジンBiz編集部)

Re-tech RaaS・田子大輔社長 (撮影=リビンマガジンBiz編集部)

―サービスについて教えてください。

当社は、管理会社の業務効率化サービス「ラクテック」を提供しています。

これはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)技術を使ったサービスで、単純な業務をロボットが自動で行います。

「ラクテック」でカバーできる主な業務(画像提供=Re-tech RaaS)

賃貸管理業は、紙からデジタルへの転記作業が多い業界です。

例えば、入居者が手書きした申込書の内容を、家賃債務保証会社用の書類に転記する。またその入居者情報を賃貸管理システムに転記する。物件情報をポータルサイトに転記するなどがありますね。

そして、不動産管理会社は、労働集約型のビジネスモデルです。管理戸数が増えると人を増やさなければならない。

繁忙期は、どうしても人手が足りなくなる。ロボットだと、24時間365日働き続け、休みも必要ありません。

「ラクテック」は、OCR(光学的文字認識)技術で手書きされた文字を読み取り、賃貸管理システムへデータを入力する業務などをロボットが自動で行います。手書きの情報を読み取る精度は徐々に上がっており、現在96%ほどです。残りの4%は、社内の人間が確認して補っています。

―「ラクテック」でどういった作業を任せられるのでしょうか。

50パターン以上の作業に対応できるロボットを用意しています。

例えば、賃貸管理業で、一番大変な作業は毎日の入金確認と言われています。

家賃債務保証会社や収納代行会社を利用しているところもあると思いますが、入金があった部屋を消し込む作業が毎日行われています。

ロボットがインターネットバンキングにログインして、CSVデータをダウンロードする。そのデータを元に、賃貸管理システムと引き当てていく作業を毎日行います。その後の未納入居者への催促や、家賃債務保証会社への連絡までを自動化することができます。

これをロボット化するだけで、かなりの業務削減になります。

それだけでなく、AIの音声合成サービスを活用して、未入金の入居者に自動で架電して催促することもできます。

そのほかにも、自社サイトやポータルサイトの情報更新も自動化可能です。

賃貸管理システムを更新するだけで、各ウェブサイトに公開している情報を自動で公開することができます。

―RPA技術は、管理業務だけではなく、様々なシーンで活用できそうですね。

当社は、「ラクテック」のほかに、仲介会社向けのAIツール「反響倍増くん」もリリースしました。これは、物件広告に対するお客様の反応を増加させるためのシステムで、広告を掲載した場合の物件情報からお客様の問い合わせ(反響が鳴る)があるかどうかをロボットが判定します。

現在、仲介会社は、スーモ、アットホームズなどのポータルサイトへ広告料をどれだけかけられるかでお客様の獲得数が左右されています。

「反響倍増くん」は、会社・店舗ごとの過去の成約情報からお客様の傾向を読み取り、広告を掲載する予定の物件データを解析して、スコアリングします。「この物件の広告を掲載した場合の反響予測は30%です」といった具合です。

現在、九州や東京の仲介会社、管理会社、そして当社の親会社であるAMBITIONで利用しています。

▶次のページ:賃貸大手AMBITIONが、不動産テック会社を設立したワケ(2ページ目)

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