ダイヤモンドメディア・武井浩三社長 撮影=リビンマガジンBiz編集部

―そういった視点がなければ商慣習も変わらない。

このままではオーナーや入居者は不利益を被ります。

今でも不利益を被っている部分もあり得るとも思うのですが、あらわになっていない、もしくは本人が気付いていない。分かる術もない。

最近では、物件データを集めて価値を自動的に査定するサービスが出てきました。これは、オーナーにとっての一助になると思います。

―今ある現実を批判的に見るという意味では、「不動産資産管理をオーナーの手に取り戻す」を掲げている、ダイヤモンドメディアの「OwnerBox(オーナーボックス)」に通じる考え方ですね。管理費5%の根拠などに対して疑問符を投げかけています。

そうですね。

「OwnerBox」は、不動産オーナー向けのサービスです。

毎月の収支状況の確認や、管理会社とのやりとりを一元管理することができます。また、募集状況やマーケットデータを見ることができ、管理会社とオーナーが戦略的な募集方法などを相談することがコンセプトになっています。

画像=プレスリリースより

今、大手を中心に導入が進んでいます。その一方で、やましいことをやっている会社は、オーナーに情報を出したくないので、我々のサービスは嫌厭されるかもしれません(笑)。

―テクノロジーをコミュニケーションとして活用するといったものでしょうか。

「ビッグデータ・AI・人」が不動産テックのキーワードです。

やはりプレイヤーの経験値やノウハウは重要です。

2019年の繁忙期は、かなり好調だった企業が多かったようです。

アパートメーカーの違法建築問題なども関係しており、「紹介できる物件がない」という声も多くて、相場より高い賃料で借りる人も多かったようです。これはAIやビッグデータでは予想しようがありません。やはり最終的には人なのです。

そういった肌感覚の部分では、賃貸管理会社や仲介会社が介在する価値が十分にあります。

私も区分の賃貸物件を所有していますが、肌感覚を持った提案があるかないかで全く異なります。オーナーは、日々様々な不安を抱えています。賃料収入があり、管理費を支払うだけの月というのは年間でも半分もありません。設備の破損や空室の問題など、心配事の方が多い。

大手管理会社では、入居担当者、解約担当者、募集担当者、修繕担当者など、ばらばらに分業されていることも多い。しかも、2年単位で担当者が変わることもある。

そこを「OwnerBox」で一元化すると、これまで担当者が変わる度に発生していた、物件の説明や状況の把握がなくなります。「OwnerBox」はコミュニケーションプラットフォームです。

―今後の展望はありますか。

「OwnerBox」を中心に自社サービスを業界に根付かせていきたいと感じています。

一方で、不動産事業者側のテクノロジーに対する理解も欠かせません。不動産テック協会をはじめとした業界団体を通じて啓蒙活動をしていきたいと考えています。

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