不動産業界 広告宣伝費ランキング2023

上場している不動産会社69社(※)につき、2022年10月期までの広告宣伝費および販売促進費の合計額が高い順にランキングしました。あわせて、売上における広告宣伝費の割合が高い企業トップ10も掲載しています。上位5社は昨年調査と変わりませんが、コロナ禍で削減傾向だった広告宣伝費には増加の兆しがみられました。(リビンマガジンBiz編集部)

※注=編集部基準

画像=PIXTA

集計方法

  • 2021年11月期から2022年10月期までに公表された企業の有価証券報告書より集計
  • 「広告宣伝費」「販売促進費」のいずれかを公表している企業をランキング化
  • 「広告宣伝費」と「販売促進費」の両方が記載されている場合は合算した数値を集計
  • 連結発表の企業は、連結した金額で発表

1位は三井不動産 広告宣伝費が増加した企業も

順位 会社名 2022年10月期
広告宣伝費
(百万円)
前年
広告宣伝費
(百万円)
前年比較
(%)
2022年10月期
売上高
(百万円)
広告宣伝費率
(%)
1 三井不動産 17,007 18,068 94% 2,100,870 0.81%
2 野村不動産ホールディングス 15,836 15,460 102% 645,049 2.46%
3 住友不動産 9,163 9,236 99% 939,430 0.98%

 

1位は三井不動産で、広告宣伝費は170億700万円でした。昨年の調査では180億6,800万円でしたので、1,000億円あまり減少しましたが、業界売上高No.1の企業規模に比例して広告宣伝費も業界1位となりました。

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2位は野村不動産ホールディングスで、広告宣伝費は158億3,600万円でした。前年が154億6,000万円でしたので、376億円増加しています。同社は、コロナ前までは三井不動産を上回り広告宣伝費業界1位でしたが、コロナ対策よりも経済を優先させる国の方針になったこともあり、広告宣伝費を再び増加させているようです。

3位は住友不動産で、広告宣伝費は91億6,300万円と、去年の92億3,600万円に比べてと、7,300万円減らしました。この規模の企業としては微減と言ってよく、昨年までの積極的な広告費削減施策には歯止めがかかったようです。

順位 会社名 2022年10月期
広告宣伝費
(百万円)
前年
広告宣伝費
(百万円)
前年比較
(%)
2022年10月期
売上高
(百万円)
広告宣伝費率
(%)
4 三菱地所 6,918 8,753 79% 1,349,489 0.51%
5 MIRARTHホールディングス 6,821 6,482 105% 162,744 4.19%
6 穴吹興産 4,323 3,945 110% 111,339 3.88%
7 GA technologies 3,947 2,587 153% 113,569 3.48%
8 日本エスコン 3,498 2,524 139% 79,017 4.43%
9 東京建物 3,168 3,010 105% 340,477 0.93%
10 スターツコーポレーション 3,130 2,594 121% 196,578 1.59%

 

4位は三菱地所で、広告宣伝費は69億1,800万円、前年比79%と大きく削減しています。一方、5位のMIRARTHホールディングス(旧会社名・タカラレーベン)は広告宣伝費68億2,100万円、前年比105%と増加に転じました。

ランキング上位5社中、2社が広告宣伝費を増加させ、3社が削減させる結果となりましたが、ランキングトップ10まで拡大すると、10社中7社が広告宣伝費を増加させており、コロナ禍で控えていた広告宣伝活動を復活させる動きがみられます。
調査した69社全体でも、広告宣伝費は前年比110%と増加に転じました。

順位 会社名 2022年10月期
広告宣伝費
(百万円)
前年
広告宣伝費
(百万円)
前年比較
(%)
2022年10月期
売上高
(百万円)
広告宣伝費率
(%)
11 リログループ 2,325 2,964 78% 156,571 1.48%
12 フージャースホールディングス 2,169 2,495 87% 79,542 2.73%
13 コスモスイニシア 1,923 1,968 98% 107,349 1.79%
14 And Doホールディングス 1,810 1,692 107% 41,395 4.37%
15 FJネクストホールディングス 1,790 1,469 122% 82,258 2.18%
16 明和地所 1,442 1,157 125% 57,209 2.52%
17 フジ住宅 1,396 1,727 81% 118,698 1.18%
18 ハウスコム 1,273 1,122 113% 14,206 8.96%
19 大英産業 1,075 1,078 100% 33,999 3.16%
20 和田興産 979 942 104% 41,785 2.34%
21 ランドネット 961 787 122% 51,870 1.85%
22 ケイアイスター不動産 937 1,145 82% 184,388 0.51%
23 セントラル総合開発 919 898 102% 29,314 3.14%
24 ウッドフレンズ 819 647 127% 42,301 1.94%
25 AVANTIA 783 599 131% 58,753 1.33%
26 カチタス 783 688 114% 101,269 0.77%
27 エスリード 690 540 128% 74,597 0.92%
28 グッドコムアセット 681 355 192% 40,048 1.70%
29 ゴールドクレスト 584 984 59% 34,245 1.71%
30 ヤマイチ・ユニハイムエステート 575 389 148% 19,177 3.00%
31 アールプランナー 569 532 107% 28,057 2.03%
32 コーセーアールイー 528 647 82% 11,288 4.68%
33 プロパティエージェント 509 485 105% 35,186 1.45%
34 レーサム 507 318 159% 68,402 0.74%
35 アンビション DX ホールディングス 379 461 82% 31,607 1.20%
36 日住サービス 357 433 82% 5,790 6.17%
37 プレサンスコーポレーション 300 141 213% 99,752 0.30%
エストラスト 300 395 76% 16,035 1.87%
39 SREホールディングス 299 86 348% 13,572 2.20%
40 ツクルバ 295 175 169% 2,766 10.67%
サムティ 295 387 76% 90,460 0.33%
42 毎日コムネット 284 240 118% 18,891 1.50%
43 日神グループホールディングス 267 264 101% 81,465 0.33%
44 ホームポジション 263 328 80% 18,441 1.43%
エリアリンク 263 338 78% 20,572 1.28%
46 グローバル・リンク・マネジメント 235 246 96% 30,675 0.77%
47 AMGホールディングス 234 224 104% 16,359 1.43%
48 東武住販 202 170 119% 7,483 2.70%
49 アズマハウス 201 207 97% 13,910 1.45%
50 クリアル 197 164 120% 10,581 1.86%
51 トーセイ 193 242 80% 61,726 0.31%
52 サンウッド 187 187 100% 13,215 1.42%
53 アグレ都市デザイン 138 184 75% 23,763 0.58%
54 LAホールディングス 116 115 101% 14,677 0.79%
55 リベレステ 114 62 184% 6,064 1.88%
56 デュアルタップ 82 49 167% 10,756 0.76%
57 三重交通グループホールディングス 68 88 77% 84,351 0.08%
58 アスコット 67 64 105% 45,920 0.15%
59 THEグローバル社 52 126 41% 25,761 0.20%
60 新日本建物 51 35 146% 19,468 0.26%
61 フェイスネットワーク 33 55 60% 17,020 0.19%
プロパスト 33 83 40% 17,689 0.19%
63 明豊エンタープライズ 31 32 97% 11,160 0.28%
ヨシコン 31 34 91% 20,067 0.15%
65 エリアクエスト 29 23 126% 2,181 1.33%
66 ストレージ王 28 28 100% 3,069 0.91%
67 ASIAN STAR 19 20 95% 2,543 0.75%
グランディーズ 19 23 83% 2,807 0.68%
69 アーバネットコーポレーション 14 21 67% 19,606 0.07%

売上における広告宣伝費の割合が高い10社

売上高のうち広告宣伝費比率が高い企業トップ10社はこのようになっています。 

順位 会社名 広告宣伝費率
(%)
2022年10月期
広告宣伝費
(百万円)
2022年10月期
売上高
(百万円)
1 ツクルバ 10.67% 295 2,766
2 ハウスコム 8.96% 1,273 14,206
3 日住サービス 6.17% 357 5,790
4 コーセーアールイー 4.68% 528 11,288
5 日本エスコン 4.43% 3,498 79,017
6 And Doホールディングス 4.37% 1,810 41,395
7 MIRARTHホールディングス 4.19% 6,821 162,744
8 穴吹興産 3.88% 4,323 111,339
9 GA technologies 3.48% 3,947 113,569
10 大英産業 3.16% 1,075 33,999

 

2019年7月に東京証券取引所マザーズに株式を上場したツクルバが1位で、広告宣伝費率10.67%と、売上高の1割を広告宣伝費に投じています。ツクルバは中古やリノベ住宅に特化した流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」の企画・開発・運営をメイン事業としています。おしゃれなリノベ物件の流通という分野で注目される同社ですが、認知度アップのために多くの費用を投じているようです。

2位はこのランキング上位の常連企業ハウスコムで、広告宣伝費率は8.96%でした。広告宣伝費率が高い10社についても、8社が広告宣伝費を前年より増やし、広告宣伝費増加の動きが顕著です。

ちなみに、前年よりも広告宣伝費を増やした企業第1位はSREホールディングスで、昨年の8,600万円から2億9,900万円と、348%アップしました。

 
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