東証1・2部、マザーズ、ジャスダックに上場している不動産企業140社(※)を対象に、2017年11月30日時点の時価総額をランキング化しました。時価総額は、そのときの会社の価値を表す指標です。また業界全体の時価総額はその業界の市場規模を知ることができます。(リビンマガジンBiz編集部)

※注:編集部基準

■他の追随を許さない旧財閥系企業


1位三菱地所、2位三井不動産、3位住友不動産といった、いわゆる旧財閥系大手3社が上位を占める結果になりました。

2016年度の有価証券報告書によると、三菱地所の有形固定資産は3兆8,567億円、三井不動産は2兆9,051億円、住友不動産は3兆1,624億円となっています。旧財閥系大手不動産企業は、古くから都心や一等地に大量の不動産を保有しています。その価値と安定的な経営体制が高い時価総額に反映されています。

またオリンピックなどを控えて好調な都心の不動産開発や、ビル・オフィスの賃料の上昇は、その土地や建物を所有している旧財閥系企業の追い風になっています。

また、4位のヒューリックも東京都23区を中心とした賃貸オフィスビル事業がメインであり、地の利を生かした企業の資産額が高い傾向にありました。

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■リーマンショック前後と現在に見る不動産業界の市場規模の変遷


市場全体の時価総額は、その業界の市場がどれぐらいの規模なのかを測る指標になります。

2017年11月30日付の東証1・2部、マザーズ、ジャスダック上場不動産企業の時価総額の合計は15兆1079億9400万円です。同日の全業種時価総額は688兆6694億800万円で、不動産業界は2.2%を占めています。

では、現在の数字と世界的な金融危機であるリーマンショックの影響が強かった2008~9年では、時価総額から見る市場規模にはどれほどの違いがあるのでしょうか。

全市場の時価総額が最も低い月末集計の2009年2月27日を例にあげて検証します。

2009年2月27日付の全業種時価総額は250兆8,180億600万円でした。

同日の不動産業界時価総額は6兆1,159億3,700万円でした。

全業種時価総額は、リーマンショック時と今年11月の数字を比べると+275%と大幅に伸びており、バブルピーク時(1989年)の590兆円も大きく超えています。一方、不動産業界は+247%と、回復はしながらもリーマンショック前の水準には及んでいません。

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【3つの日付での総資産額の比較】

(画像=リビンマガジンBiz編集部)

この要因の一つとして、不動産業界における上場企業社数の減少が考えられます。

東証1・2部、マザーズ、ジャスダック上場の全企業は、2007年9月28日時点で2,414社、2009年2月27日時点には2,334社と減少するものの、2017年11月30日時点では3,583社とリーマンショック以降で1,000社以上増えています。

しかし、不動産業界の上場企業数は、2007年9月28日時点で140社、2009年2月27日時点で133社、2017年11月30日時点で122社と減少傾向にあり、それに伴い時価総額も低下していると捉えることができます。

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